米国で食事療法として注目されるのが「FODMAP(フォドマップ)食」だ。IBSの引き金になりうる「発酵性の糖質」「オリゴ糖」などの単語の頭文字を取ったもので、これらを控えた食事のことだ。米国で臨床試験が進み、日本でも普及する可能性がある。

「緊張するとおなかが痛くなる。自分は社会人に向いていない」。IBS患者には自分を責める人も少なくない。だがIBSは睡眠不足など特定の身体条件や、特定の食事をとった場合も発症のトリガーになる。ジーケア共同代表の宮崎拓郎氏は「自分のトリガーが何かを特定し、除けるかが重要だ」と指摘する。

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腸内環境改善 関心高く

大腸には1000種類以上、100兆個以上の細菌が存在するとされ、その様子は花畑に例えて「腸内フローラ」と呼ばれる。善玉菌、悪玉菌、腸内環境次第でどちらにもなり得る日和見菌が存在し均衡を保つ。近年は腸内環境が健康に与える影響が指摘され、「腸活」への関心も高まっている。

9月下旬には森永乳業や帝人など4社が組んで「大腸活コンソーシアム」を設立した。全国で腸内環境を整える食品の講座などを開催する予定だ。

例えば乳酸菌よりも特に大腸に効果があるとされるビフィズス菌を選ぶなどの重要な点を解説。「コンビニで食品を選ぶ時など、身近で取り入れやすい形で広めたい」(山田まさる事務局長)という。健康への関心が高い30~40代の女性のほか、食生活が乱れがちな20代男性や50代以上の男性にも焦点を当てる考えだ。

今や腸内環境が悪化している人は4人に1人に上るともされる。過敏性腸症候群に悩む人はもちろん、現在は目立った症状がないという人でも、日ごろから食生活などに気をつけて健康な腸内環境を維持することが必要だ。

(佐藤初姫)

[日本経済新聞夕刊2019年10月16日付]

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