お弁当に味噌汁・おかゆ… スープジャーで保温調理生活コラムニスト ももせいづみ

2019/10/15付
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数年前に起きたスープジャーブームで、お弁当に温かいスープやシチューを持っていく人が増えた。

手前味噌な話だが、ブームの火付け役として一役買ったという自負がある。もともとスープジャーで保温調理ができるのではないかと思いついたのが5年前。記事に書こうとメーカーに協力を依頼したら、軒並み「本来の使い方ではない」と断られた。たった一社、色よいお返事をもらえた所と協力して本を出したら、あっという間に人気が出て、いつの間にかお断りされたところからも、保温調理の本が出たりした。面白かった。

スープジャーは調理したスープやシチューを持ち歩くためのものとして使っている人が多いようだが、まだ試したことがない人は、ぜひ保温調理に挑戦してみて。

この方法を最初に思いついたきっかけは、残業や外食が多く自炊のための材料の買い置きが難しい人たちにも、手軽に手作りのお弁当を作ってほしかったから。スープジャーに切った野菜を入れ、熱湯を注いで温めてから一度湯切りをし、そこに粉末だしと味噌を入れて熱湯を入れて持っていくだけで、昼には野菜たっぷりの味噌汁ができている。鍋で煮る時間も手間もなく、洗い物も出ない。

300ミリリットルに対して大さじ2の無洗米を入れ、一度湯通しして温めて湯切りしてから再度熱湯を入れ、蓋をきっちりと閉めて上下に数度ひっくり返してから持ち歩けば、3時間ぐらいでおかゆが出来上がる。梅干しや鮭(さけ)フレークを入れてもいいし、フリーズドライのスープを入れればバリエーションも広がる。

毎日お弁当が作れればよいけれど、ごはんを炊いておかずを複数用意するハードルが高い人も結構多いはず。かといって、コンビニ弁当やインスタント食品では健康面も心配だ。通勤や通学時間を利用しての保温調理なら、簡単にできて健康的。乾物などを上手に利用すれば、食品のムダも少なくて済む。離乳食や介護食にも使えるので、ひとつあるととても便利だ。

私の友人には、お弁当をスープジャーのおかゆにしてから冷え性が改善されたという人もいて、からだを内側から温めるのはとても大切なことだと思う。お弁当が作れない日も、温かい物をひとつ持っていくだけでも違うのでは。

たとえば昆布と煮干し、しょうゆ少量や、切り干し大根と干しシイタケと粉末だし少々にお湯を注ぐだけというシンプルなスープも十分おいしい。私は黒豆茶に干しアンズを入れて持ち歩くのが好きで、これは美容にも健康にもいい。オフィスでのコーヒーや清涼飲料水は体を冷やすので、手作りの健康ドリンクも重宝する。

忙しくても体調管理はとても大切。特にこれから寒くなる季節は、保温調理で時短しつつ、温かいランチで心も体もぬくぬくしよう。

ももせいづみ
東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2019年10月15日付]