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勝ち抜き文芸バトルで新人発掘 西崎憲が仕掛ける熱戦

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NIKKEI STYLE

短い文芸作品の優劣を対戦形式で競う「ブンゲイファイトクラブ」が開催中だ。仕掛け人である作家・翻訳家の西崎憲は「前例にとらわれない新人発掘で文芸復興を目指す」と意気込む。

「ブンゲイファイトクラブ」は「ファイター」が書いた作品を提出し「ジャッジ」と呼ばれる選考委員が勝ち負けを判断する。応募条件は400字詰め原稿用紙6枚以内だけで、小説、詩、短歌、俳句、エッセーなどジャンルは問わない。

イメージしたのは、平安時代の歌合わせや、漫画「ドラゴンボール」に登場する格闘大会「天下一武道会」という。西崎が2017年に創刊した電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」が主催。予選は終了し、現在は本戦がインターネット上で進んでいる。

自ら参戦し発奮

予選には300人近くが応募。西崎と文芸編集者3人が全て目を通し、本戦出場者26人を選考した。さらに西崎自身と、第1回阿波しらさぎ文学賞を昨年受賞した大滝瓶太らプロの書き手6人が「招待ファイター」として参加。1回戦には計32人が進出した。

1回戦は4人ずつ、8組に分かれて作品を競った。各組1人が勝ち残り、8人が2回戦に進出。優勝者は12月1日に決定する。賞金はゼロ、手にするのは名誉だけという。

本戦で選考に当たるのはフリー編集者・文筆家の仲俣暁生ら「招待ジャッジ」4人と、応募した批評・書評が認められた「公募ジャッジ」4人の計8人。ファイターが絞られていくのに伴い、ジャッジも参加者の人気投票で選別される。

「公募新人賞はたくさんあるが、いずれも既存の枠にはまった作品が選ばれることが多い。しかし、文章がダメでも、構成がなってなくとも面白いものはある。ネタの強さだったり、豊かな描写力だったり。先例主義を打ち破るような賞にしたかった」と西崎。

「(殴り合いが印象的な)映画『ファイト・クラブ』から刺激を受けた」と話すように、文芸における真剣勝負を目指す。自ら参戦するのは、緊張感のあるガチンコの場に身を置きたいという思いからだろう。お互いが高め合うことで「商業デビューにつながる人が2、3人は出るのではないか」との期待を示す。

多彩な仕掛け人

企画が生まれた背景には、西崎の異色の経歴がある。青森県の高校を卒業した後、音楽家を目指して上京。作曲家としてアイドルグループ、おニャン子クラブのユニットの曲などを手がけた。

その後、翻訳家として文芸の世界に入り「ヴァージニア・ウルフ短篇集」など多くの訳書を手がけた。15年には、翻訳家仲間とクラウドファインディングで資金を集め「日本翻訳大賞」を創設した。

作家デビューは「世界の果ての庭」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞した02年。「フラワーしげる」名義で歌人としても活動するマルチクリエーターだ。今年2月には「全ロック史」を刊行した。

最近目立つのは編集者、アンソロジスト(編纂(へんさん)者)としての活動。16年5月に創刊し、今年4月に休刊した文学ムック「たべるのがおそい」(書肆侃侃房(しょしかんかんぼう))では編集長を務め、芥川賞候補になった今村夏子「あひる」などの作品を発表した。

「惑星と口笛ブックス」の創刊は「自分のレーベルを持ちたいと思ったから」という。現在、北野勇作「雨の国、夜の国」など26作品を扱う。11月には芥川賞作家、町屋良平の「勇者と僧侶」を配信する予定だ。

電子書籍だけでなく紙の本も大切にする。編集を担当し、10月末に刊行が始まるアンソロジー「kaze no tanbun」(全3巻、柏書房)は上田岳弘、円城塔、小山田浩子、柴崎友香、滝口悠生、藤野可織、山尾悠子ら多彩な顔ぶれが寄稿する。「空いた時間に読書をすることが多い現代人にとって、様々な作風の小説が入ったアンソロジーは、好みのものが見つかりやすい」とみる。

「電子書籍やスマホ、SNSなど次々に生まれる新しいものをいかに活用するかが問われている」。多彩な顔を持つ西崎は様々な手段を駆使し、文芸復興に挑み続ける。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2019年10月15日付]

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