油断が招く秋の食中毒 夏疲れ・野外の食に潜むリスク

NIKKEIプラス1

2019/10/12付
写真はイメージ=PIXTA

食中毒の件数が多い夏や冬に比べ、秋は予防の意識が薄れがちだ。夏の暑さで体力が落ちていたり、野外で食事する機会が増えたりして実はリスクが高い。対策法をしっかり押さえ行楽シーズンを楽しみたい。

「衛生管理が必要な現場で、『食中毒は秋にも気をつけてほしい』と言い続けている」。こう話すのはNPO法人「栄養衛生相談室」(東京・世田谷)理事長で東京医科大学兼任教授の中村明子氏だ。

夏は高温多湿の環境を好む細菌性の食中毒が、冬は低温乾燥の環境で長く生存するウイルス性の食中毒の発生が多くなる。そのため、「夏や冬には食中毒予防に意識が向くものの、秋には油断が生じやすい」(中村氏)という。

また、中村氏は「夏の厳しい暑さで体力や免疫力が低下していると、秋に食中毒を起こしやすくなるとも考えられる」と指摘する。

厚生労働省の統計によれば、細菌性食中毒の発生件数が最も多い原因菌はカンピロバクター。肉類の中でも特に鶏肉の汚染率が高く、加熱不足から下痢や嘔吐(おうと)、腹痛や発熱を引き起こす。中村氏は「O157など腸管出血性大腸菌も増加傾向にあり、2018年は10月にも発生報告があった」と注意を促す。

秋はキャンプや芋煮会など野外で食事をする機会が多い。普段とは環境が異なるため、野外では改めて衛生管理を徹底し、調理や食材の管理にも気を付けたい。