ジーンズメイト「JEM」 ジーンズよりアロハシャツ

日経MJ

2019/10/2付
店の手前には若者に人気のカジュアル衣料を並べる
店の手前には若者に人気のカジュアル衣料を並べる

ジーンズカジュアル専門店のジーンズメイトは8月、「JEM(ジェイ・イー・エム) 横浜ワールドポーターズ店」(横浜市)を開いた。同社の標準店舗と比べてデニムの比率をあえて下げ、女性客向けにワンピースやスカートなどを充実させた。狙うのは、周辺を訪れるファミリー層。路面店で店舗を拡大してきたが、立地に合わせた店舗戦略で顧客を広げる。




■「あらゆる層が欲しいと思う商品がそろう」

遊園地や商業施設が立ち並ぶ横浜・みなとみらい。観光名所の赤レンガ倉庫のそばに立地する「横浜ワールドポーターズ」には、家族連れの客であふれていた。レストランや子供向けの玩具店などが軒を連ねるほか、映画館や洋服店なども並んでいる。

その3階に8月、ジーンズメイトの新業態「JEM」がお目見えした。店頭にはなじみのロゴはなく、ジーンズの品ぞろえもさほど多くない。一見すると、別のカジュアル衣料店のようだ。それもそのはず、JEMは家族で訪れても、あらゆる層が欲しいと思う商品がそろう、というのがコンセプトだからだ。

中高生に人気の「カンゴール」のワンピースや「FILA」のウインドブレーカーを入り口付近に配置。中に入ると、壁面にシックな色のワンピースやアロハシャツなど、大人向けの商品も並べる。営業部の藤平直邦部長は「気兼ねなく入れるように工夫した」と語る。

ジーンズメイトの代名詞であるデニムは店全体のなかで1割程度にすぎない。通常の店舗では3割ほどに上るが、JEMではデニムの比率を抑えた分、幅広い世代に向けた商品を置く。このため、来店客の半数が女性客と、通常店よりも約2割高いという。

横浜は遠方からの観光客だけでなく、地元の買い物客も多い。周辺には「コレットマーレ」や「MARK IS(マークイズ)みなとみらい」など集客力の高い商業施設が集積する。それでもJEMの売上高は開業から約2週間で当初計画より1割増で推移する。

■従来のロードサイドの路面店が苦戦

ジーンズメイトは1978年に東京・下北沢に1号店を出店し、小売業を開始。これまではロードサイドの路面店を中心に店舗を広げてきた。ただ、近年はショッピングセンター(SC)など複数の専門店を入れた商業施設の勢いが増して苦戦する。「顧客の買い物の場所がSCに向かっていっている」(藤平部長)ため、新業態の開発に迫られていた。

試行錯誤を重ねて生まれたのがJEMだ。昨年10月の渋谷店(東京・渋谷)の開店を皮切りに、現在はつかしん店(兵庫県尼崎市)やららぽーと立川立飛店(東京都立川市)など4店舗を展開している。

藤平部長は「今後は横浜の店舗に合った商品展開をしていく」とする。名を捨て実を取る戦略が奏功するのか。ジーンズメイトの挑戦に業界の注目が集まる。

(勝野杏美)

[日経MJ 2019年10月2日付]

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