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篠山紀信が個展「写真力」 巨大な肖像、時代を映す

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NIKKEI STYLE

写真家の篠山紀信が2012年に始めた大規模個展「写真力」がロングランを続け、累計来場者が100万人を超えた。数メートルの大きさに拡大された巨大な肖像の力が多くの人を引きつける。

東京都文京区のギャラリーアーモで開催中の「篠山紀信展 写真力」(10月27日まで)。渥美清や美空ひばり、山口百恵ら、昭和から平成のスターの巨大なポートレートがずらりと並ぶ。満面の笑みを浮かべたり、妖艶なまなざしでこちらを見つめたり。縦3メートルほどの肖像を眺めていると、まるで本人と向き合っているような感覚に襲われる。

来場者100万人突破

「写真力」は美術館嫌いを公言していた篠山が、初めて美術館で開いた個展だ。熊本市現代美術館を皮切りに作品を入れ替えながら、これまで全国32カ所を巡回した。今月18日に累計来場者100万人を達成。写真家の個展がこれだけ長く開かれ、これだけ多くが来場したのは異例という。

個展の話を打診された時、篠山が考えたのは「美術館という巨大な空間で、写真に何ができるのか」だった。大きな空間に負けないよう、まず写真を大きく引き延ばそうと考えた。「大きくしても、もつのは写真の中でも最も力が強いポートレート。それも一流の人物を写した写真には力がみなぎっている」と篠山。

本展は「写真を体感するライブ」だと訴える。もともとは雑誌のグラビアが多い。各誌が旬の人物を取り上げたものばかりで「時代を映した写真になっている」と振り返る。

スマートフォンやタブレット端末でパーソナルな写真を見るのに慣れた現代の人々にとって、大きな写真と向き合うこと自体が新鮮なようだ。来場者は近づいたり、離れたりして作品を鑑賞し、同行者と口々に感想を交わす。

展示コーナーは、鬼籍に入った人々を集めた「GOD」、誰もが知っている有名人の「STAR」、歌舞伎などのドラマチックな場面を写した「SPECTACLE」、バレエダンサーや力士、女性のヌードなど肉体美に迫った「BODY」と続く。異質なのが最後に設けた「ACCIDENTS」だ。東日本大震災発生から50日後の一般の被災者の肖像が並ぶ。

「編集者の誘いで被災地に行った当初は、ただすごいと思ってシャッターを押すだけだった」。通ううちに被災者の表情にとらわれる。「なぜ自分が理不尽な体験をしなければいけないのか。もう立ち直れないという気持ちと、いや違う、ここから頑張らなきゃいけないという気持ちが混ざり合った、複雑な顔だった」

カメラのフィルムの標準は35ミリ(縦24ミリ横36ミリ)だが、被災地には「8×10(エイト・バイ・テン、縦203ミリ横254ミリ)」と呼ばれる大判フィルムを持ち込み、人々に「ただ静かにカメラを見つめてください」と伝えた。もちろん笑顔はない。記念写真のようにかしこまってはいないが、決して悲嘆に暮れているわけでもない。

「この表情を写し取れることこそ、写真の力」と強調する。誰もが知るスーパースターと並べても、負けないポートレートだと確信し、出展を決めた。

表現は次の段階に

半世紀以上、撮り続けてきたが、自分たちの写真は「古典」になりつつあるとも感じている。デジタルカメラは「大量に撮って、その場で送って、すぐに加工・修正できる」からだ。

自身も撮影の9割はデジタルカメラを使うが「フィルムカメラで覚えた写真家は、やっぱり被写体との呼吸で撮影する」との自負がある。神経を研ぎ澄ませ、ここぞというシャッターチャンスを狙う。とりあえずたくさん撮っておこうと、漫然とシャッターを切ることはしない。

「『決定的瞬間』といわれるような写真は、俺たちが最後かもしれない。そういう意味で、これは最後の写真展」と指摘。これから先の写真は今までとは全く別のジャンルになると予測する。記者が少し寂しいと伝えると「また無限に出てきますよ、新しい表現が」と笑った。

(岩本文枝)

[日本経済新聞夕刊2019年9月30日付]

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