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炊き込みご飯にプロの技 3種の具材、五味でバランス

NIKKEIプラス1

2019/9/28付

三浦秀行撮影

この季節の定番メニュー、炊き込みご飯。ルールを押さえればアレンジ自在だ。栄養バランスを整えたり、プロの技を取り入れたり。旬の食材を入れて、満喫しよう。

「具材は3種類が目安」。管理栄養士の豊永彩子さんは炊き込みご飯を作るとき、栄養バランスを考えて3タイプの食材を組み合わせることををすすめる。

肉や魚の「動物性のタンパク質」と、ニンジンやタケノコ、ゴボウなどの「野菜」、キノコやこんにゃく、油揚げなどの「うま味具材」から1つずつ選ぶというルールだ。「タイプの違う具材が入ると、しっかりした味になり満腹感を得やすい」という。味を引き立てるうま味具材を入れることで、「調味料の種類が少なくても味が決まる」。

具材の量は、米2合分に対して動物性のタンパク質具材が手のひらに載る程度。肉なら100~120グラム、秋サケが1切れ程度だ。もしご飯がやわらかすぎると感じるならば、水分の多い具材を入れすぎかもしれない。炊飯器の最大炊飯容量の半分の量に収まるように調整する。さらにしょうゆとみりんを加え、通常の分量の水を入れて炊く。

炊き込みご飯のときは、米の中心まで火が十分に通らないことがあるので早炊きモードは避けよう。

■浸水させずに 炊飯器で炊く

土鍋で炊く炊き込みご飯の名店「おこん」(東京・渋谷)の店主で、米の鑑定技術をもつ米・食味鑑定士の小柳津(おやいず)大介さんは、「炊飯器を使う場合は浸水時間なしで炊く」ことをすすめる。一般的な炊飯器は、沸騰に約20分かかる。温度が上がる時間に米が吸水し、膨らんでべったりとした食感になりやすい。

炊き込みご飯は冷めてもおいしい。余ったら、熱々の状態でラップにまとめる。冷凍庫で1週間程度食べられる。

ワンランクアップさせるなら、プロの技も取り入れたい。「炊き込みご飯は、ぜひ土鍋で炊いてほしい」と小柳津さん。土鍋で炊くと米がピンと立つ。難しそうだがコツを押さえれば失敗を回避できる。

ポイントは米を1時間しっかりと浸水させること。白いツヤが出て、ふっくらと仕上がる。米の研ぎ方もコツがある。「精米の技術向上で米は研がずにすすぐ程度でいい。強く研ぐと米が割れ、うまさや粘り気が抜けてしまう」

土鍋の形状にもよるが、米1合の場合、約20分で炊き上がる。土鍋を強火にかけ、沸騰して噴いてきたら弱火に。10分後に火を止める。土鍋をタオルで包み、炊いた時間と同じ時間蒸らす。しっかり蒸らすと、余熱で米の芯まで熱が入る。米が1合増えるごとに5分ずつ時間を延ばす。

■均等より強弱 飽きない味に

小柳津さんが作る炊き込みご飯は、具材にローストビーフを使うなど創作性が高い。「炊き込みご飯のバリエーションは無限」(小柳津さん)。アレンジのコツは、具材と調味料で五味を混ぜること。塩味、苦味、酸味、甘味、うま味の五味でバランスを考えるという。

例えば、焼きサケとキノコのレシピ。サケの塩味と焦げの苦味、キノコから出るうま味に、ハチミツの「甘味」が加わる。さらに炊き上げ後にバターを混ぜ込むことで、香りが引き立ち、ご飯の表面にうま味をまとう。「味が均等より、強弱があるほうが、最後まで飽きずに食べられる」(小柳津さん)。好みでスダチやレモンを搾ると酸味も加わり、味がしまる。味付けは炊いた後で足してもいい。

一方で、豊永さんは別に具材を調理して、炊いたご飯に後から混ぜる「混ぜ込みご飯」をよく作る。「炊き込みよりも味を調整しやすく、具だくさんにできる」という。

具材にみりんや砂糖、しょうゆを順に入れ、食感が残る程度にいためる。具材のルールは炊き込みとほぼ同じ。ただ、3種類以上でも構わない。ホウレンソウなど葉物野菜も加えていい。水分が多ければ、加熱して飛ばしたりすればよいので失敗が少なく、彩りよく仕上げることができる。

炊き込み同様に味付けしたご飯が炊き上がったら、いためた具材を炊飯器に入れて混ぜ込む。具材から出た汁は、ご飯のやわらかさをみながら少しずつ加える。ふたをして15分ほど蒸らせば完成だ。

具材を変えたり、五味のアレンジをしたり。この秋、自分好みの炊き込みご飯に出合えるかもしれない。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2019年9月28日付]

〈訂正〉10月6日3:00に公開した「炊き込みご飯にプロの技 3種の具材、五味でバランス」の表中、焼きサケとキノコの炊き込みご飯の材料で「バター90グラム」とあるのは、9グラムの誤りでした。表は訂正済みです。

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