「ロータス」3割増、輸入菓子をコンビニに浸透伊藤忠商事 伊藤優志さん

まず、伊藤さんが手掛けたのが、バニラアイスにロータスのビスケットを混ぜた「ロータスビスケットアイス」の展開だ。アイスの発売は前任者が決めていたが、菓子とアイスの両方の売り場で店頭販促(POP)を展開。ビスケットの棚で「アイス販売中」と告知するなどして来店客の関心を高めた。

アイスは16年秋に関東と関西、中部の1万3千店舗で本格的に取り扱いを始め、POPの効果もあって大当たり。ネットでの情報発信なども強化した結果、「10日間で売り切れた」。その後もデザートメーカーの協力を得てパフェを作るなどコラボ商品を生み出した。

さらに、ビスケットそのものの販売手法にも工夫を凝らす。海外では50枚入りの商品が主流で、海外食品を扱う専門店ではそのままのパッケージで販売していた。

しかし、コンビニで売るには容量を減らして価格を下げる必要があると考え、ロータス社に「日本市場をにらんだサイズ展開が必要だ」と提案した。

ロータス社側も提案に理解を示し、日本向けに2枚ずつ包装したパックが8パック入った商品を売り出した。価格も50枚入りが税別630円なのに対して250円に設定。さらに、コンビニで売れ筋の価格帯は200円以内という調査結果を踏まえ、6パックで170円という商品も開発した。

日本へ理解求める

多くの海外食品メーカーにとって、日本市場は厳格な品質管理が求められるなど難しい市場とされる。包装が少し傷ついただけでも廃棄品となり得る。伊藤さんは5月にベルギーの工場を視察。現地の社員らとの意見交換などを通じて、日本市場への理解を求めている。

取扱店舗の拡大や商品の充実などで、18年度のロータスの輸入量は14年度よりも3割増えた。ただ、ロータスにとっては世界の国別の売り上げでは20位内に入る程度といい、伊藤さんは「まだ拡大余地は大きい」とみる。

伊藤忠は企業間取引の商材よりも利益率の高い消費者向けのブランド食品を増やしていきたい考えで、ロータスはその代表格になろうとしている。現在は十数種類の海外ブランド食品のラインアップも増やしていく方針で、伊藤さんは「海外の発想による商品と日本の消費者が期待する商品のギャップを埋めていきたい」と意気込んでいる。

(大平祐嗣)

いとう・ゆうし
2013年に伊藤忠商事入社。16年から輸入食品を担当する。17~18年は台湾の食品関連会社に出向。19年4月から食品開発トレード課で再び輸入食品を担当する。

[日経産業新聞2019年9月20日付]

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