「ロータス」3割増、輸入菓子をコンビニに浸透
伊藤忠商事 伊藤優志さん
伊藤忠商事の伊藤優志さん
伊藤忠商事が輸入食品の取り扱いを広げている。もともと非資源に主軸を置き生活消費分野に強いが、食肉や穀物など企業向けの取引が中心。輸入食品を通じて消費者が直接手に取る利益率の高い商品の扱いを増やす。食料カンパニー食品開発トレード課の伊藤優志さん(28)は、ベルギー産ビスケットの国内販売で実績をあげる。
「コンビニエンスストアなど一般消費者を顧客とする小売店で展開してほしい」。伊藤忠は2014年、ベルギー大使館からの要望を受けて「ロータス」ブランドのビスケットの取り扱いを始めた。ロータスはカラメル風味にシナモンを混ぜたビスケットで、コーヒーに合う菓子として人気がある。
コラボ商品展開
ベルギーのメーカーとの契約にあたり、40ページにのぼる書類の日本語訳を手掛けたのが伊藤さんだ。当時は別の顧客企業の食品開発支援などを担当していたが「生活に身近な商材を扱いたい」と考えていた。16年4月に輸入食品の担当となり、ロータスのメイン担当になった。
それまでロータスは海外食品を扱う専門店などで販売されていた。伊藤さんが担当になったのは、初めてファミリーマートの店頭に並び始めたタイミングだった。
ファミマは伊藤忠のグループ企業だが、店頭に伊藤忠が扱う商品を常時並べてくれるといった決まりはない。コンビニ間の販売競争も激しく、売れない商品はすぐに店頭から姿を消す。競争率が高い菓子売り場で陳列棚を確保するにはどうすればいいのか。伊藤さんは「販売促進のキャンペーンが欠かせない」と考えた。