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時短家事

山盛り家事にイライラ 色で気分よく片付けるワザ 生活コラムニスト ももせいづみ

2019/9/17付 日本経済新聞 夕刊

過ごしやすい気候になり、夏に暑くてできなかったそうじや片付けが気になったり、料理に手をかけたくなったりする人もいるかもしれない。でもちょっと待って。実は夏の疲れが一番たまっているのが、気温が下がり始める今ごろ。冷房や冷たい食事を続けたことで自律神経が乱れたり、台風等の気圧の変化で体調を崩したりしやすいそうだ。

やりたいことが山盛りなのに、だるくて時間もない。そんな時に無理に頑張ると、結果的に思うようにできずイライラしてしまうことも。それはあまりにシャクなので、なるべく気分よく家事ができる工夫をしたいなあ、と思う。

私が常日ごろから心がけているのが「外出から戻ってすぐに家事をしない」ということ。特に仕事帰りの人は、着替えもままならずに夕食準備に取りかかる日もあるかもしれないが、どんなに時間がないと思っても、まずは着替えてお茶を入れて座ろう。帰宅後のあれこれ焦る気持ちは忘れて、頭を空っぽに。それから、次にやるべきことにひとつだけ手をつける。

暗くなってからの帰宅の場合は、照明を変えるだけで気持ちのあり方が大きく変わった。一気に部屋を明るくしない。間接照明や、明るさ調整のある照明にして、ほの暗い部屋でまずは落ち着く。仕事や外出で興奮している神経をちょっと鎮めてから、明るくして家事を始める。

時間がない!と焦りがちだけれど、10分もあれば気持ちが落ち着いてくるのがわかる。これをするだけで、帰宅後に子どもを叱らなくなった、というお母さんもいる。

色も気持ちに大きく関わってくるという。赤や黄色は気持ちを高め集中させるが、青や緑は落ち着かせてくれる。エプロンやふきんを青にしたり、あわてて肉料理に手をつけずに、まずは緑の野菜サラダを作ってゆっくり食べたりしてから、赤い肉を焼く。一度に全部食卓に出さなければと思わなくていい。作りながら、のんびり食べよう。

逆に、なんとなく気持ちが乗らない日は、赤い食器を使ったり、ビタミンカラーのランチョンマットを敷いてみたりすると、ちょっとやる気が湧いてきたりもする。

もともと、あまり頑張らないよという人には必要ないことなのかもしれない。が、多くのことに追い立てられがちな人は、お茶や照明や色を選ぶことが「あわてないあわてない、ひとやすみひとやすみ」の一休さん気分を生み出すきっかけとなって、イライラせずに済むこともある。

真面目な人ほど「やらなきゃ」とハードルを作って、できないことにイラついたり、時には罪悪感を抱いたりしがち。「あ、イライラしているな」「しんどいな」と思ったら深呼吸して大手を振って休もう。季節の変わり目。どうぞ無理をせず、気分よく過ごして。

ももせいづみ
東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2019年9月17日付]

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