自転車こぎなども有効 心臓リハビリで再発防げ筋トレ施設備える病院も

2019/9/4付

運動による効果はほかにもある。「末梢(まっしょう)血管の働きが改善される。筋肉から分泌される物質が循環器系によい影響を与えることも近年報告されている」(代田氏)。高齢化によるフレイル(虚弱)を予防する観点から効果が期待されている。

日本循環器学会の調査によると、カテーテル治療などに対応した主要な病院の大半は心臓リハビリテーションを実施している。ただ本格的な施設・スタッフを備え、通院リハビリにも対応しているところはこのうち約半数にとどまっているという。実施体制の一層の充実が求められている。

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急増する心不全対策にも

心疾患の再発予防との関連で見逃せないのが、高齢化を背景に「心不全」が国内で急増している問題だ。心不全は心筋梗塞のような病名ではなく、心臓のポンプ機能の低下で体内に酸素を十分に送れず、身体に様々な症状を引き起こしている状態のことを指す。

心不全は乱れた生活習慣やストレス、過労、糖尿病などもリスク要因とされるが、心筋梗塞や弁膜症、心肥大、不整脈など様々な心臓疾患がきっかけとなって進行する。「心筋梗塞はたとえ一回でも起こすとやがては心不全になってしまうことが多い」(磯部光章・榊原記念病院院長)という。

心不全は無症状期のステージAから4段階を経て進行する。心筋梗塞の治療を終えた人は心不全のステージBに該当すると考えてよいという。「心臓リハビリテーションによって進行を遅らせることができる」(磯部氏)と心不全の増加に対処する意味からも心臓リハビリの役割に期待している。

(編集委員 吉川和輝)

[日本経済新聞夕刊2019年9月4日付]

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