花粉症と関連せずにOASになるものもある。「栗で症状を起こす人もいる」と猪又氏は注意を促す。栗は、生ゴムの成分をアレルゲンとするラテックスアレルギーの人が症状を起こしやすい。
OASは食べてから15分以内に発症することが多い。重い症状では口腔だけでなく花粉症のような目のかゆみや鼻づまり、鼻水といった症状の他、じんましんや息苦しさなどの全身症状も現れる。数は少ないが呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシーショックを起こすこともある。
OASの症状が出た場合は、まず皮膚科かアレルギー科、耳鼻咽喉科など医療機関を受診する。治療では抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド薬などが処方される。原因を確認し予防に生かすため、アレルゲンを特定する検査を受けるのが望ましい。
血液検査ではわからないケースもあり「皮膚に専用針で小さな傷を作り、アレルゲンの可能性のある食材を接触させるプリックテストという検査法が有用」と永倉氏は助言する。
OASがある人はアレルギーを引き起こす可能性のある食材を生で食べるのを控えるべきだ。症状を悪化させないためには原因物質を体に入れない。果物狩りなどで大量に食べるのは慎むのが賢明だ。
(ライター 仲尾匡代)
[NIKKEIプラス1 2019年8月24日付]