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僕らはずっと科学の子 実験や工作、雑誌で手軽に学ぶ

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NIKKEI STYLE

夏休みも終盤。子ども向け科学読み物の歩みを振り返る展覧会が首都圏で相次ぐ。科学読み物の長い歴史をたどると、失敗を恐れがちな現代の子どもなど、折々の時代性が浮かび上がる。

「科学絵本は、子どもが本来持っているセンス・オブ・ワンダーを刺激する」 7月、月刊科学絵本「かがくのとも」(福音館書店)創刊50年記念展に先立ち行われた講演会で、生物学者の福岡伸一氏は力を込めた。センス・オブ・ワンダー、すなわち驚きを感じる心こそが脳を鍛え、人生の基盤を築くと指摘する。

1969年創刊の「かがくのとも」は5、6歳を対象に昆虫や植物などの自然科学はもちろん、料理や仕事など暮らしの中で子どもが感じる不思議を物語に載せて描いてきた。「テーマはフィクションでないものすべて」と川鍋雅則編集長は話す。

記念展は23日から9月8日まで、アーツ千代田3331(東京・千代田)で開かれる。6種類のセミの鳴き声をじっくり聞いたり、自分の心臓の音を感じたりといった体験型展示を予定する。日常生活まで興味を広げる内容だという。

三菱みなとみらい技術館(横浜市)では、9月23日まで月刊誌「子供の科学」(誠文堂新光社)の企画展が開催中だ。同誌は24年創刊。95年分のバックナンバーからテクノロジーの変遷をたどる。過去の工作記事を再現したコーナーは人気が高い。大正時代の「無線ききとり装置」からバブル期の「回って踊るジュリアナ」まで、時代性を感じる作品が並ぶ。

ニュース性も重視

子ども向けの科学読み物としては、学研の学習雑誌「科学」が70年代の最盛期に数百万部を発行していたものの、少子化の影響で2010年に休刊。「かがくのとも」や「子供の科学」は少子化や出版不況の逆風を乗り越えて、長年発行を続けてきた。

「子供の科学」は近年発行部数9万部で安定し、売り上げも伸びているという。だが「20年ほど前、理科離れが進んだころに大きく落ち込んだ」と土舘建太郎編集長は振り返る。高度な内容で理科が好きな小学校中学年以上の子どもたちを引き付けてきたが、マニアックな知識に偏重する傾向がみられた。

部数回復の要因はニュース性を踏まえた記事だ。「最大のきっかけとなったのは東日本大震災」と土舘編集長。福島第1原発事故を踏まえて原発や放射線を特集。放射線を特集した号は完売した。

同誌で電子工作の記事を連載する伊藤尚未氏は「子どもは今も昔も、ものづくりが大好き。ただ、材料を渡せば喜んで作るが、応用して何かを生み出すのは苦手」とみる。土舘編集長は「今はゲームのように成功体験が容易に得られる娯楽が多い。失敗した体験が少ない分、恐れる気持ちが強いのかも」と現代っ子の気質を分析する。

大人向けにシフト

子どもから大人向けにかじを切って成功したのが「大人の科学マガジン」(学研プラス)だ。かつて学研の「科学」や「学習」の読者だった中年男性をターゲットに03年に創刊した。

「科学」と「学習」の復刻版付録を目玉にしてきたが、新作の付録も増え、女性読者が7割を占める号もある。近年ヒットを飛ばした付録は活版印刷機と二眼レフカメラ。「印刷のかすれやピンぼけ写真といった失敗が独自の味わいになり人気を博している」と吉野敏弘編集長。

「科学」の復活については「仮に復刊しても『記念号』になってしまい未来がない」と否定する。代わりに子ども向けで照準を定めるのは自由研究だ。学研では蓄えた編集ノウハウを生かしてウェブサイト「自由研究プロジェクト」を開設。飼育用プランクトンなどの実験キットも提供する。吉野氏は「工作などの体験が少ないだけに、今の子のほうが視点さえ与えてあげれば集中するのかも」。

ネットで情報入手は容易になったが、自ら考え、手を使って実験する大切さは普遍だ。時代が変わっても科学読み物は、子どもたちの胸の奥にある好奇心をノックし続ける。

(桂星子)

[日本経済新聞夕刊2019年8月19日付]

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