■GPSから電波を受信する様子を音と光で表現
2~4階も「まずは(製品の)良さを分かりやすく伝えること」(神野館長)を重視する。階段とエレベーター付近には商品棚を置いていない。「アストロン」を展開する4階では、全地球測位システム(GPS)から腕時計が電波を受信する様子を、音と光で表現するスペースが出迎える。
外国人やセイコーを知らない人でも楽しめるように知恵を絞る。スマートフォンと連動した店内でのスタンプラリーや、畳1枚分ほどのタッチパネルを用意。英語、中国語で商品や歴史などを説明する。
こうした取り組みが奏功したのか、実際に売上高の7割が外国人による購入が占める。腕時計の付加価値を「五感」で体験できる試みで、4月、5月の店舗売上高は計画比約4割増で推移した。東京を観光中にわざわざ再び来店して買い物をしていった外国人旅行客もいたという。
セイコーHDは最上級の腕時計ブランド「グランドセイコー」を独立ブランドにするなど中~高価格帯を成長の軸に据える。ドリームスクエアで扱う4ブランドも国内外で売り上げを伸ばすことを目指す「グローバルブランド」だ。
新型店がグランドセイコー以外のブランドも広めるきっかけになるかどうかに注目が集まる。
(佐伯太朗)
[日経MJ 2019年7月31日付]
「Hot Zone」記事一覧