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新品のデザインだけでない、幅広いデザイン提案力が強みだ

新品のデザインだけでない、幅広いデザイン提案力が強みだ

「お客様にオーダーメードの宝飾品の良さを知ってもらえるとうれしい」。そう話すのは、宝飾品製造販売のケイ・ウノ(名古屋市)銀座本店の小熊桃加店長だ。同社の強みは顧客の好みに合わせてデザイン画を起こすオーダーメードにある。顧客のライフスタイルや好みに寄り添った丁寧な接客が評価され、5月には「ベスト接客賞」を受賞した。

小熊さんは2011年にケイ・ウノに接客販売の仕事で入社。新人時代に銀座本店で勤務し、その後も横浜店や名古屋市内の店舗など、大きな店舗を回ったのち、17年から銀座本店の店長に就任した。

「ブライダルの販売も好きだが、顧客の細かい好みを聞き出すオーダーメードの接客が得意」と小熊さんは自信を見せる。宝飾品ブランドが集積する東京・銀座では、結婚・婚約指輪の買い回り客が多い。同店では7割がブライダル関連の接客だが、小熊さんは5割程度。使用する宝石を決め、一からデザインを起こすケースや、譲り受けた指輪やネックレスのリフォームなどの相談を多く手掛ける。

デザインの要望だけでなく、ファッションやライフスタイルなどについて聞きながら商品を提案。例えば、これまであまり宝飾品を付けてこなかった人には、毎日身につけやすいシンプルなデザインを提案する。日常的に付ける習慣のきっかけとなりそうな商品を提案し、次のオーダーにつなげやすくする。

毎回、高額の凝ったデザインばかりではなく、数千円程度でできる指輪の磨き直しなども併せて提案する。「毎回高額の買い物だと疲れてしまう。足が遠のかないコミュニケーションが続けられるよう配慮している」

ある日、顧客がフリマアプリで手に入れたジュエリーを10点近く、リフォーム希望で持ち込んできたことがあった。小熊さんはその時、店舗が混雑していたのを理由に次回の来店までにデザイン画を起こすと約束。再来店の際に、デザインを起こしても小さなペンダントなら1万円といった手の出しやすい価格の提案も織り交ぜたところ、その後5度にわたって来店してくれた。リフォームで自分好みのものに替わるという、お値打ち感を感じてもらるように工夫した結果、常連客になってくれ、最近では20万円以上するオーダーメードの注文も受けた。それが「ベスト接客賞」の受賞につながったという。

顧客との会話から好みを探るオーダーメード宝飾品の接客には幅広い知識が欠かせない。最近、プライベートで落語に行くようになってから興味を持った着物の話題をきっかけに販売につながったケースもある。

「一度きりの買い物ではないオーダーメードの利用を増やしたい」と、リピーターをさらに増やすことに意欲を燃やしている。

(友部温)

[日経MJ2019年7月29日付]

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