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水と油を混ぜてみよう 夏の自由研究は家事をテーマに

NIKKEIプラス1

2019/7/27付

写真はイメージ=PIXTA

学校では自由研究、絵日記などの宿題が出る夏休み。自由研究は家事をテーマにしてはいかがだろう。大人にとっても、素朴な疑問に向き合う機会になる。

水と油が混ざらないのはなぜ? と聞かれて即答できる人は少ないのでは。答えは、それぞれ水分子、油分子同士の結びつきが強いから。では絶対に混ざらないのか?

サラダにかけるフレンチドレッシングで考えてみよう。材料はサラダ油と酢、塩コショウ。酢の成分の大半は水だ。ポイントはとにかくよく混ぜる(かくはんする)こと。密閉容器に油と酢を入れて思いっきりシェイクすると、分子レベルではないとはいえ、お互いに小さな粒になることで混ざり合う。

振った回数ごとに、混ざり具合を記録するといい。白っぽい酢と油の混合液ができたらドレッシングは完成だ。それでも水分と油分は時間をおくと上下に分離してしまう。 

■分離する水と油 卵黄を加え安定

ところが、卵黄を入れると、時間がたっても分離せず、とろりとした質感になる。卵黄の中のレシチンの乳化作用によって水分の中に油分が分散し、安定するからだ。実は、マヨネーズは酢と油、卵が材料。乳化を英語ではエマーションといい、化粧品の乳液などでは「エマルジョン」と紹介している。

続いて酢と油と卵をどの順番に混ぜ、それぞれどのくらいの配分だと、とろりとなめらかになるか? を探る。

結論からいうと酢と卵黄を先に混ぜた後、油を少しずつ足していく順番が正解。研究テーマにするなら、全部一度に混ぜたり、酢と油を先に混ぜそこに卵黄を足したり、卵黄と油を先に混ぜそこに酢を足したりして比べよう。

配分の考え方にもポイントがある。卵はサイズSMLにかかわらず、卵黄の大きさはほぼ同じ。卵黄の量はほぼ一定だ。ドレッシングの基本は酢と油の割合が2対1だが、油の量で質感が調整できる。少ないとサラサラ、多いと乳化しきれず分離してしまう。

次のおすすめテーマは家庭用の洗剤について。台所や衣類、風呂用など多種多様の洗剤がある。小学校の理科の学習で扱う試験紙を使い、洗剤液の性質を調べてみよう。

■洗剤の性質調べ 効用を見極める

酸性か、アルカリ性かを調べるには、リトマス試験紙やpH試験紙がある。いずれも町の薬局やインターネット通販で数百円で入手できる。ちなみにpHをペーハーと読むのは昭和世代で、今はピーエイチという。液体洗剤はそのまま、粉末洗剤は水で溶かして試験紙に垂らす。

セスキ炭酸ソーダや重曹、クエン酸など掃除に使う白い粉の洗剤や、固形せっけんも試すといい。水道水や酢、レモン果汁、お茶、ジュースなど、洗剤以外も試して比較すると、理解しやすくなる。

結論。洗剤は酸化した汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使って、中和効果で落とすように作られている。

しかし、世の中の汚れがスッパリ分類できるわけではない。水に溶けやすい水溶性の汚れか、水に溶けにくい油性汚れか、という区分のほか、鍋用洗剤の中には磨くための研磨成分が含まれるものもある。pHは洗剤を分類する1つの指標で、メーカーはトイレや風呂、台所など、生活に応じた汚れを落とせるように、洗剤を開発している。

チェックした洗剤は混ぜると危険な組み合わせがあるので要注意。換気しよう。せっかくなので捨てる前に掃除を。宿題ができて、家がキレイになる一石二鳥だ。

研究テーマとしては、ゴミの分別もいい。引っ越しをしたとき、全然分別の仕方が違ったという人もいるだろう。

インターネットで調べてもいいが、できれば市区町村窓口で直接聞こう。例えば、カセットコンロのタンクの捨て方は自治体によりかなり異なる。分別ゴミはそれぞれどう処理するのか、聞いてほしい。埋め立てか、焼却か。その理由はどうしてだろう。

トレーサビリティーも面白い。スーパーなどの売り場に「私が育てました」と顔写真入りの野菜が増えた。生産者に会いに行ってはどうか。生産者が納品に来る店の場合、直接、対話できることがある。すぐ近くに農地があったり、近所の人だったり。新鮮な発見があるかもしれない。

(家事ジャーナリスト 山田 亮)

[NIKKEIプラス1 2019年7月27日付]

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