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「大人もとりこ」紙飛行機 光と音で奏でる体験施設も

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NIKKEI STYLE

滞空時間をはじめ日本人が数々の記録を持つ紙飛行機の世界。動力がないのに驚くほど長く宙を舞う。そこには「物作り」の原点がある。大人もとりこにする魅力を探った。

今年4月、小学生が全長2.35メートルの世界最大の折り紙飛行機の滑空を成功させたばかり。滞空時間(29.2秒)や、ターゲットに当て続ける回数(13回)などの記録も日本人が持っている。紙飛行機は子供だけでなく大人も本気にさせるようだ。

紙飛行機の飛ばし方を遊びながら学べる施設があると聞いて、愛知県の中部国際空港に飛んだ。空港に隣接するテーマパーク「フライト・オブ・ドリームズ」に「奏でる!紙ヒコーキ場」がある。

A4判の紙で2種類の紙飛行機を折り、長さ約15メートルの空洞に投げてみた。軌道に反応して光が瞬き音が響く。どうやればうまく飛ぶかを目と耳で体感できる仕組みだ。

最初は機首が下がり5メートル程度で落ちてしまう。翼の後ろのへりを少しだけ上に曲げる。すると長く飛ぶようになる。左に曲がる時は左側の翼の後ろを少し下げる。微調整を重ね、10メートル近く飛ばせるようになった。ちょっと楽しい。実は大家から極意を学び、予習してきた成果もあった。

2010年に自らの記録を更新し、折り紙飛行機の滞空時間のギネス記録を持つ戸田拓夫さん。金属部品メーカー「キャステム」(広島県福山市)社長で、折り紙ヒコーキ協会の会長でもある。

「飛ぶというのは見えない空気を捉えること。そこに技術が結集しています」。戸田さんの言葉を聞きながらギネス記録を生んだ「スカイキング」の折り方を教わった。

滞空時間を競うには小ぶりなA5判を使う。基本は指の腹で折り、部分的に爪で強く折る。最初の微妙なずれが後に大きく響く。それでも何とか完成させた。

「でもこれでは飛ばないんですよ」。戸田さんの飛行機も墜落する。翼の後ろを少し上げる。それだけでスーっと滑空するようになる。「空気を捉える」感覚が分かる。

ギネスのルールではハサミとテープが使えるが戸田さんは使わない。「29.2秒が抜かれてもテープを使えば抜き返せる」と笑う。伸びしろのある世界記録。何という格好良さだろう。「もっと先がある。それが見つかれば30秒の壁は越えられる」。アスリートと話している気分になる。

なぜ日本人は紙飛行機好きなのか。「緻密な加工技術が製造業に引き継がれている。紙飛行機も微妙な調整次第で生き物のように飛ぶ。この感覚が性に合うのでは」と戸田さんは分析する。

自宅近くの公園でスカイキングを飛ばしてみた。真上に投げ旋回させる。微調整を重ねても10秒に届かない。29秒がいかに超人的かが分かる。

巨大な原っぱが広がる東京都武蔵野市の武蔵野中央公園。紙を切り抜き貼り合わせる「組み立て式飛行機」の聖地だという。こちらはゴムで飛ばすので高さ30メートル程度までは簡単だが、問題はそこから。ポイントは水平飛行でゆったりと旋回させられるかだ。

日本紙飛行機協会の指導員、風祭喜隆さんと中村浩子さんに手ほどきを受けた。最初の目標はライト兄弟の初飛行記録12秒。上昇から旋回に入った途端に失速する。10秒も持たない。

理由はもう分かっている。折り紙飛行機と同様に翼の微調整の問題だ。風祭さんは「『曲げる』ではなく『なでる』程度」と表現する。試行錯誤を重ね、30秒を超えた。決め手は微調整の積み重ね。成否の神は紙の細部に宿る。物作りの基本が紙飛行機に詰まっている。

井上陽水、荒井由実、藤井フミヤ、コブクロ。「紙飛行機」という歌は少なくとも13曲はある。空気だけを頼りに自由に舞う存在は音楽家にも誘惑的な素材なのだろう。

(大久保潤)

[NIKKEIプラス1 2019年7月27日付]

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