ゲーム障害、無理やり禁止はNG 子どもがルールを

2019/7/24付

「孤立しているゲーム障害の子供たちが安心できる環境を提供することが重要」(八木氏)。ゲームにのめり込む根本の要因を見つめ直す必要があり、それには家族のケアが重要になる。「家族へのカウンセリングを繰り返す中でお子さんに会わずして回復に至るケースもある」という。

神奈川県横須賀市の久里浜医療センターは全国に先駆けてネットやゲーム依存の専門外来を設けた。入院治療も手掛け、患者は2週間、ゲームやスマホと離れて過ごすことになる。

生活環境やゲームにのめり込む気持ちを振り返り、どういう行動をとるべきかを考える「認知行動療法」や、パン作りなどを体験する「作業療法」を組み合わせる。「同じ悩みを抱えた患者さんとの交流を通じて、自分の抱える問題に気づいてもらう狙いがある」(松崎尊信精神科医長)

キャンプを通じた治療プログラムや外来治療も。約3カ月に1度の予約日には300件を超える問い合わせがあり、予約は一日で埋まってしまうという。

ゲーム断ちを決めた人が集まって支え合う「自助グループ」に入る選択肢もある。都内で活動する「ゲームをやめる会」の参加者は「顔の見える関係ができたことが、かけがえのないものになっている」と話す。

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WHO、疾病に分類

世界保健機関(WHO)は5月の総会で、ゲーム障害を最新の国際疾病分類に加えた。22年から効力を発揮する。(1)ゲームをする時間や頻度をコントロールできない(2)日常生活においてゲームの優先順位が圧倒的になる(3)自身や家族、社会的な関係に悪影響が出ているにもかかわらずゲームを続けたり、一段とのめり込んだりする――といった状態が1年以上続くと病気として認められる。

米国精神医学会も最新の診断基準で診断基準を示している。ゲームをしていないと不安やイライラが募る、ゲームの時間を減らせない、やめられないなどの9項目のうち、1年以内に5項目以上を満たすことが条件だ。

(三島大地)

[日本経済新聞夕刊2019年7月24日付]