新工法、コスト抑え導入 「存在効用のある人間に」清水建設社長 井上和幸氏(上)

清水建設の井上和幸社長(62)は入社以来、横浜支店管内の建築現場一筋だった。

最初に配属されたのは電機メーカーの研究所の建築現場で、型枠、鉄筋工事の作業管理を担当しました。現場の職人さんたちは優しくて、すぐ現場になじめました。支店の課長級の上司が現場視察に来たときのことです。30分程度巡回し、現場の工事主任にヒアリングするだけで、いくつもの指示を出してさっそうと帰って行く。すぐに問題点を把握する姿を見て、格好良いな、ああいう上司に早くなりたいなと思いました。

(下)40代半ばで営業職に 国内を全力で転戦 >>

完成間近に仮設の足場を解体したら、外壁に吹き付けた塗装が波を打っていました。視察に来た支店の部長は「こんなのうちの仕事じゃない」と一喝。怖かったですね。もう一度足場を組んで、やり直すことになりました。大変な作業でしたが、当社のものづくりとは何かを身をもって体験できました。

1994年に建築現場の課長級の工事長になってすぐ、横浜市の33階建ての超高層ビルの現場に赴任した。

当社が開発を進めていた天候に左右されずに工事できる全天候型施工システムを適用する2番目の現場でした。最初の現場は本社の研究開発費を充てることができましたが、今回は現場で費用を賄えとの指示でした。高コストでいったん断念していたのですが、当時の社長が発注者と話して鶴の一声で適用を決めてしまいました。そこで、見積もりをし直したら導入費用が4分の1に下がりました。

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横浜支店時代の最後、桐蔭学園の仕事をいくつも担当し
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