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介護に備える

介護必要な人も気軽に旅を 車いすバスなどサービス 入浴にヘルパーを頼める例も

2019/7/10付 日本経済新聞 夕刊

車いすのまま乗り降りできるバスで移動=エイチ・アイ・エス提供

体力の落ちた高齢者や介護などの支援が必要な人でも無理なく旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムのサービスが広がってきた。受け入れ体制の整備に力を入れる観光地が増え、現地でのサポートが充実したツアー商品も登場している。「家族に負担を掛けるのでは」と心配をせずに気軽に旅行に出かけられる環境が整いつつある。

「リフト付きバスで巡る!初めてのスイスを楽しむ旅8日間」、看護師が同行する「芸術と音楽の都ウィーン6日間」――大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)が、介助が必要な高齢者などを対象に企画している旅行ブランド「たびのわ」の一部だ。海外だけでなく国内旅行も多数用意されていて、年間で70~80本のツアーを催行している。

移動には車いすのまま乗り降りできるバリアフリー車両を用意する。介助に必要なトレーニングを受けた添乗員が同行し、同行した家族といっしょに車いすで移動する手助けをしたり、宿泊先で介助者に必要な道具を用意したりと気を配る。なかには社会福祉士や介護関係の資格を持つスタッフもいる。

1回のツアーの参加者は10人程度と少なめだ。移動時間も余裕を見て「通常のツアーに比べてゆっくり観光して回るようにしている」と、HISのユニバーサルツーリズムデスクを担当する薄井貴之シニアセールスマネージャーは説明する。

添乗員や地元のNPOなどの手助けで海水浴を楽しむことも=エイチ・アイ・エス提供

国内では、ユニバーサルツーリズムの推進や障害者支援に取り組むNPOなどと協力して、旅行先での手助けにも力を入れている。例えば入浴の手助けが必要な参加者には、入浴の時間だけ地元のヘルパーに手伝いに来てもらえる。ひとりで参加したい人は介助者のツアー代金を負担すれば、HISが契約している介護資格を持つ登録スタッフに出発地から同行してもらうことも可能だ。ただ1人当たりのツアー代金は少し高めで「通常のツアーの1.3倍程度」(薄井さん)という。

観光庁が2019年3月にまとめた「ユニバーサルツーリズムの促進業務報告書」によると、介護が必要な人など向けの旅行の取り扱いをしているとした旅行会社は回答した442社のうち38%。今後取り扱いしたいの11%を加えるとほぼ半数になる。

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