ヘルスUP

介護に備える

介護必要な人も気軽に旅を 車いすバスなどサービス 入浴にヘルパーを頼める例も

2019/7/10付 日本経済新聞 夕刊

ユニバーサルツーリズムの広がりに刺激されて観光地の施設でも対応する動きが広がっている。HISがツアーを開催している上高地の温泉旅館では、貸し切り風呂をバリアフリー化しただけでなく、入浴の手助けをする体制まで整えた。鹿児島県の奄美大島の施設では、車いす利用者向けのエレベーターを設置した船も整備し、車いすの必要な人でもダイビングやカヤックなどを楽しめるようにしている。

施設の整備が進むことで「個人旅行も受け入れやすくなってきた」と薄井さんは話す。ユニバーサルツーリズムに取り組む観光地が連携する日本バリアフリー観光推進機構のように、バリアフリー対応の施設や介助支援などの情報を提供しているところもある。

風景を楽しんだり、温泉を満喫したりする旅行は、健康維持にもつながる期待がある。介助が必要な人やその家族も、思い切って旅行に出かけてみてはどうだろう。

◇  ◇  ◇

■80歳以上で宿泊回数減 「健康上の理由」が最多

国土交通省国土交通政策研究所が2016年にまとめた「車いす、足腰が不安なシニア層の国内宿泊旅行拡大に関する調査研究」によると、1人当たりの年間宿泊旅行の平均回数は80歳以上で0.50回と、全体平均の1.26回に比べて大幅に少ない。同じシニア層でも60歳代は1.41回、70歳代は1.33回と全体平均を上回っていて、80歳代になると急に落ち込んでいることが分かる。

旅行に行かなかった理由としては、70歳以上の高齢者の場合は「健康上の理由」が約3割で最も多い。69歳以下は「経済的余裕がない」や「時間的余裕がない」が多く、健康上の理由は1割弱にとどまるのとは対照的だ。ユニバーサルツーリズムの普及で高齢者の旅行市場が拡大すれば、ツアーの充実や選択肢の多様化も期待できそうだ。

(編集委員 小玉祥司)

[日本経済新聞夕刊2019年7月10日付]

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