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ガンダムが描いた戦争と平和 40周年で富野監督展

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アニメ「機動戦士ガンダム」放送から40年。総監督を務めた富野由悠季(よしゆき)(77)の業績を振り返る展覧会が福岡市で開催中だ。作品を通して投げかけた問いは現代社会で一層重みを増す。

「君は生き延びることができるか」。富野がガンダムの視聴者に向けたメッセージだ。この問いかけは今なお生き続け、より重みを増しているとみる。

戦争の危機感薄く

1941年生まれの富野につきまとってきた戦争への危機感が、現代の日本では薄れつつあるとの懸念からだ。主人公のアムロらがさいなまれた戦争への恐怖、敵を殺すことの葛藤――。富野らの世代にとっては切実なテーマだったはずが「戦後40~50年たったくらいから日本人は戦争への感受性を劣化させていった」と警鐘を鳴らす。

6月22日から福岡市美術館で始まった「富野由悠季の世界」展(9月1日まで。兵庫、島根、青森、富山、静岡に巡回)。幼少時のスケッチから、監督デビュー作「海のトリトン」から最新作「ガンダム Gのレコンギスタ」までのキャラクター原案、絵コンテなど約30作品、1000点以上の資料が並ぶ。

デザイナーやアニメーターが示した当初案に対し、富野がどう指示して、完成に至ったのか。過程をたどることができる。

人類の敵の異星人を正義のロボットがやっつける。そんな勧善懲悪の子供向け作品ばかりだったロボットアニメで、人間同士の無情な戦いや、善悪の論理が交錯する複雑な現実を描いて衝撃をもたらした。

例えば、80年に放送が始まった「伝説巨神イデオン」。異なる文化や慣習を持つ2つの人種の出会いから、悲劇的な滅亡までをつづり「皆殺しの富野」という物騒な異名をとる。互いの種族がそれぞれの価値観を普遍的で決定的と信じることで生まれる偏見や差別、争い。民族や宗教間の対立紛争が相次ぎ、分断される世界を予見していたかのようなテーマだった。

企画者の一人で、同館学芸員の山口洋三は富野の功績について「『宇宙世紀』などの概念をつくり、ガンダムで1つの世界観に高め、そこに文明批評を織り込んだ」と指摘する。

先進的なテーマ

扱うテーマの先進性にも着目する。ガンダムの冒頭、増えすぎた人類が宇宙に移民を始めて半世紀が過ぎていることが語られる。79年の制作当時、人口増加による資源の枯渇や環境破壊が社会問題として取り上げられるようになっていた状況に反応。その後の難局や紛争まで含めて、いち早く映像化した。

山口は展示準備を進める中で、作品には直接登場しないキャラクターや舞台装置の細部まで、あらかじめ細かく決められていたことに驚いたという。「今でこそ当たり前だが、当時は画期的だった」と話す。

富野は手塚治虫が設立したアニメ制作会社、虫プロダクションで「鉄腕アトム」「リボンの騎士」などに携わり、日本を代表するアニメ監督として後進にも大きな影響を与えてきた。

ガンダム40周年を機に、自身の作品を網羅した展覧会が企画されたことについて「20周年、30周年の時とはまた違った重みがある」と語る。ファースト世代と呼ばれる第一作のファンは50代を迎え、社会で中心を担うようになった。「ガンダムが与えた影響は大きくなり、一般名詞として広く認識されている実感がある」

12日にシリーズの「機動戦士ガンダムNT」が劇場公開される中国をはじめ、今なお世界的にファンは増え続ける。「ガンダムの基本コンセプトは『増えすぎた人類』というところから始まっているが、いまだに大量消費が正義になっている。その常識を突破しなくては」と次世代に向けて訴える。

(岩本文枝)

[日本経済新聞夕刊2019年7月9日付]

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