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時短家事

短時間で健康的に 料理の味を決める知恵 生活コラムニスト ももせいづみ

2019/6/18付 日本経済新聞 夕刊

市販の料理の素や加工食品は便利だが、思いのほか塩分が高く、保存料などの添加物が含まれることもある。かといって手作りにこだわると、時間や手間がかかってしまう。そこで、簡単にちゃんと作る知恵をいくつか。

例えばかつおだしは、コーヒー用のペーパーフィルターにかつお節を入れ、ドリッパーでコーヒーをいれるように湯を回しかけても作れる。分量は1人分につきかつおぶし約5グラムに、お湯200ccが目安。1~2人分のうどんのつゆやすまし汁にぴったりで、顆粒(かりゅう)だしを使うより塩分も少なくおいしい。

一方、毎日の味噌汁はだしがなくてもおいしく作れる方法がある。野菜や油揚げなどの具に同量程度の水を加えた具だくさんにして、ゆっくりと加熱し、全体重量の0.6~0.8%の塩分量の味噌を入れる。保温鍋があればさらによく、野菜と水を煮立てたらすぐ味噌を入れて火から下ろし、保温10~20分。食べるときにかき混ぜれば簡単に味噌は溶けて、野菜から出ただしで滋味深い味噌汁になる。最初はこんなたくさんの野菜を入れるのか?と思ったが、作ってみると具だくさんで栄養たっぷり。あとはごはんがあれば一汁一菜の食卓が完成。だしがなくてもおいしい味噌汁は、目からウロコの発見だ。

これは料理科学研究家水島弘史さん提唱の「ロジカルクッキング」の応用。人体に含まれる塩分濃度0.8%に近い味付けが一番おいしく感じるため、これを守ると塩・しょうゆ・味噌などのシンプルな味付けできっちりと味が決まる。調味料をあれこれ混ぜ合わせなくても十分おいしいし、塩分量のコントロールができて安心だ。書籍も出ているので、ぜひ参考に。ちなみに私はちょっと薄味の0.6%を塩分の基準にしている。

ドレッシングも手作りしよう。オイルと酢の黄金比率は2対1。目盛りのない空き瓶で作るなら指の関節を利用。瓶の横に指を立てて第2関節までオイル、指の付け根まで酢を足せば計量できる。

塩やしょうゆ、オイルなど基本の調味料はなるべくよいものを選ぼう。シンプルな味付けと素材の味の組み合わせがしみじみとおいしく感じるようになるはず。

世界保健機関(WHO)は、1日の食塩摂取目標を5グラムとしているが、日本人の平均摂取量は10グラムほどと倍近い。また、許可されている食品添加物の種類も世界に比べてダントツに多く、食卓に加工品が増えるとどうしても塩分過多になり、添加物も摂取してしまう。こうした食品の味に慣れてしまうと、シンプルな味付けが物足りなく感じてしまうことも。

忙しくてもおいしく健康的に食べるためには、まずはシンプルな味付けに立ち返ることも必要という気がする。簡単にできることから、試してみて。

ももせいづみ
東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2019年6月18日付]

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