歯周病は細菌で予防 バクテリアの摂取で悪玉菌抑える歯磨き・歯科治療と併せて

2019/6/12付

歯科医で日本歯周病学会の若林健史理事は口内フローラを良好に保つための生活習慣の重要性を指摘する。「口内の乾燥を避けるのが大事。喫煙は口内を薫製にするようなもので歯茎から水分を奪う。唾液の質を保つためにはストレスをためないことも重要だ」と話す。

歯周病対策や虫歯予防で最も重要なのは、毎日の口内ケアであることは言うまでもない。歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯垢がたまらないよう丁寧にケアしたい。また、歯周病は進行に気が付かないことが多いので、定期的に歯科を受診して、歯周病菌の温床となる歯石を取ることも心がける。

坂本氏は「セルフケアと歯科医によるケア、そしてバクテリアセラピーの3つを併用することで、歯周病や虫歯を防ぐ効果は大きく高まる」と話す。

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糖尿病や動脈硬化 別の疾病リスクも

歯周病に伴ってリスクが高まる各種の全身疾患のことを、日本歯周病学会では「ペリオドンタルシンドローム(歯周病関連全身疾患症候群)」と呼んでいる。歯周病との関連が最も密接とされるのが糖尿病。歯周病が重症化すると血糖値をコントロールする機能が低下する。

糖尿病のほか、歯周病菌が直接発症にかかわる誤嚥(ごえん)性肺炎や、歯周病菌が血管に付着することで動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすケースがある。関節リウマチや早産・低体重出産も歯周病との関連が指摘されている。

歯周病とアルツハイマー病との関係も近年注目されている。アルツハイマー病患者54人の脳の96%から歯周病菌が作る毒素が発見されたという米国の研究が1月に発表された。

同学会の若林健史理事は「糖尿病患者の治療の際に歯周病ケアを同時に行うなど内科と歯科が連携するケースが増えてきた」という。

(編集委員 吉川和輝)

[日本経済新聞夕刊2019年6月12日付]

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