「素足が気持ちいい」 梅雨どきも快適な床掃除のコツ

NIKKEIプラス1

素足で過ごすことが増える季節、床に落ちた食べかすや足裏のベタつきが気になる。暑苦しい中で、不快さが増す一因かも。梅雨の床掃除を再考しよう。

ジメジメした日は床もベタベタと感じるのはなぜか?

水の分子はもともと、空気に含まれる窒素や酸素の分子より軽い。だから湿気がある空気は上に上がるはず。しかし床にホコリやゴミが残っていると、本来は天井に向かうはずなのにホコリなどにくっついて滞留する。それを素足で踏んでしまうからだ。

ひとなででも ベタつき解消

つまり、床を掃除しておくと湿気は素直に上に流れ、足元のベタベタ感が解消される。

梅雨時は水拭きではなく、から拭きでいい。湿度が高いので湿気でちりやホコリが舞い上がりにくく、汚れもはがれやすい。乾いたぞうきんでサッとひとなでするだけという、効率よい掃除ができる。

ここで一度、床掃除のゴールについて整理しよう。理想の床は京都の古刹に見られるような、床に新緑や紅葉が映り込むくらい磨き上げられたイメージかもしれない。

しかし「磨く」と「拭く」は違う。磨くは狭く限られた場所、拭くは広い場所に適している。時間も体力も必要だ。素材によっては、磨いてもそれほど効果が表れない床もある。ワックスがけも効果の表れやすい床素材のほかに、効果が出にくい素材がある。

我が家は合成板の安いタイプのフローリング。一度ワックスがけを試したが、時間がたつとともに、メンテナンス不足もあって汚れたような色合いになり、すべてはがしてしまった。そこで、床掃除のゴールは「素足で過ごすのが気持ちいい」という主観を大切にしている。

生活する限り髪の毛や皮膚の欠片が落ち、衣類から糸くずが落ちる。天井や壁に付着して誰かが通ると空中を浮遊し、再びどこかに付着するか、床に落ちる。フローリングや畳部屋のホコリは部屋の隅に集まる。人が通ると軽いホコリが吹き飛ばされるからだ。

床のホコリは掃除機が活躍する。ただし、排出する気流が天井や壁のホコリも巻き上げる。巻き上げを少なくしたい場合、特に狭い範囲なら昔ながらの、ほうきとちりとりが効果的だ。ズボラな人には、裏がモップになったスリッパなどというグッズもある。

我が家では、5年前から床拭きロボットを使っている。汚れがひどくない時はから拭きモードでホコリを拭き集めるだけ。排気がなく、新たなホコリを巻き上げることも少なく、重宝している。

踏みつけられた食べ残しや正体不明のこびりつきは、軽く擦るだけではとれない。そういう場合もできるだけ水気に頼らず、まずは、スクレイパーで物理的にこそぎとるアプローチをするとよい。それでも取り切れない細かいところだけ、部分的に水拭きで擦れば十分だ。

どうしても気になる人は、ウェットタイプのペーパーモップを使うといい。速乾性があり、拭き掃除後もベタベタ感が少ない。

洗剤を使って拭き掃除をする場合は、拭き取りに重点を置いてほしい。洗剤成分が残るとホコリが吸着されやすく、逆にベタベタ感が増す。

天井・壁には ハタキが有効

カーペット敷きの部屋は、人に踏まれて敷物に入り込む。吸い上げるために、強力な吸引力の掃除機が必要になる。逆にフローリングの床に使う掃除機はそれほど強力な吸引力はなくてもいい。

盲点になりがちなのがホコリが静電気で付着している壁や天井。床をいくらキレイにしても、天井や壁の掃除を忘れるとすぐにホコリが落ちてくる。床掃除をし終わったばかりなのに、床にもうゴミが落ちているのはそのためだ。

掃除の原則は上から下。天井から壁、そして最後に床。床の汚れが目に付いて、つい床から始めてしまうかもしれない。その場合は、キレイな状態が続くのは一時的だと割り切ろう。

天井と壁は柄が伸縮するハンディモップで撫でると簡単。伸ばした針金ハンガーに古着のフリースなど起毛の生地を巻き付けたり、毛糸で作ったアクリルモップを被せたりしたものでも効果的。昔ながらの絹のハタキはホコリをはたくだけでなく、生地で軽い拭き掃除もできて便利だ。

(家事ジャーナリスト 山田 亮)

[NIKKEIプラス1 2019年6月8日付]