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繁華街のネオンサイン消える? LED台頭で主役交代

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NIKKEI STYLE

繁華街の夜の主役はネオンサインだった。高度経済成長期に規模とデザインを競い、オイルショックでは消灯して我慢の象徴に。そのネオンが今、発光ダイオード(LED)サインの台頭で存亡の危機にあるらしい。

夜の横浜港につながれた客船・氷川丸。船尾近くから振り反ると「HOTEL NEW GRAND」の白いネオンサインが目に飛び込んでくる。高さ2.8メートル、幅33メートル。最近の看板で主流のLEDの光がほぼ一方向なのに対し、ネオンの光は全方向に満遍なく広がるのが特徴。夜空にじわりと浮かぶ明かりは、1927年創業のクラシックホテルの雰囲気によく似合う。

実はこのネオン、2014年に約40年ぶりに再点灯された復刻版。ネオン新設が皆無に近い中でレトロな復活だったことが注目を集めた。

ニューグランドがネオンサインを復活させた14年、工事数を示すネオン専用トランスの出荷台数は最盛期(1989年)の4%まで激減。直近の18年も同2.8%と衰退が続く。ネオンサインの歴史に詳しい関東ネオン業協同組合(東京・港)の小野利器専務理事は「東京・渋谷や大阪・道頓堀の夜は依然きらびやかだが、光源の主役はもはやネオンではない」と話す。

小野さんによると、世界初のネオンは1910年に仏・パリの政府庁舎に設置された。国内では1918年に東京・銀座の谷沢カバン店(現・銀座タニザワ)が、長さ1メートルの赤色管3本をつないで光らせたのが第1号とされる。

銀座タニザワの鈴木政雄常務は「創業者の谷沢禎三は明治期に『鞄(かばん)』という漢字を定着させたアイデアマン。関東大震災で失われた旧社屋のどこにネオンをつけたか不明だが、新しい技術に引かれたのだろう」と想像する。

ネオンサインとは、大気中にごく微量に含まれるネオンガスを細長いガラス管に詰め、両端の電極から高電圧をかけた時に発生する、高輝度の赤色光を活用した広告(サイン)。ガスをアルゴンに変えれば青色光になり、着色ガラス管と組み合わせて、様々な色を作り出す仕組み。

国内のネオンサインは主に二つの用途で発展した。一つはバーやキャバレーの「赤い灯、青い灯」に代表される風俗系の用途。ネオン街という言葉も生まれた。もう一つは企業がデザインや設置場所でしのぎを削った企業広告だ。

いずれも高度経済成長期の意気軒高ぶりの象徴。1972年の銀座の夜景写真には家電や食品、レコードなど大手企業のネオンが存在感を競う。明るい夜空に星が消え、極彩色が景観を悪化させるという"光害"批判も始まった。

ネオンは70年代の2回のオイルショックで、不要不急の電力消費としてやり玉に上がる。通産省(当時)の指導で点灯時間が短縮され、一時は点灯不能になった。ネオンの電力消費量は73年でも国全体の0.07%にすぎなかったが、社会の「明るさ」の象徴だったからだろう。ホテルニューグランド施設部の佐藤正夫さんは「73年12月に点灯時間を短縮し、75年7月に配電盤を撤去した」と振り返る。

80年代から90年代にかけても繁華街の主役であり続けたネオンも、21世紀に入ると一気に下火となる。置き換わったのはLEDサインだ。1つの管で1色しか出せないネオンに比べ、LEDは3原色の組み合わせで多色表示が可能。消費電力は4分の1、動画も再生できる。

それでも「ネオンの温かみのある光はブティックのシンボルなどで需要が根強い」(小野さん)。最近はインスタグラムにネオンの写真をアップする若者も目立つ。繁華街の主役から静かに退いたネオンは、レトロ趣味の世界に居場所を見付けたのだろうか。

◇  ◇  ◇

温かい光「インスタ映え」

ネオン製作は完全な手作業だ。直径1センチほどのネオン管をバーナーで曲げ、ガスを充填する。管を思うように曲げられるようになるまでに10年はかかるという。取り付けには特種電気工事資格者という国家資格が必要だ。

コーワネオン(埼玉県朝霞市)の佐々木康則工場長(48)は今は数少ないネオンシンボルの専門家で企画デザインから設置工事まで請け負う。幅2メートル、高さ1メートルのロゴ1つで受注価格は10万~30万円。「アパレル系の店舗からインターネット経由の注文もある。観覧車などの大型案件より採算はよい」という。

佐々木さんが意識するのは若者の動向。「原宿の竹下通りなどで、インスタ映えするデザインのネオンを設置していかなければ」と今後を見据えている。

(礒哲司)

[NIKKEIプラス1 2019年6月8日付]

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