熱中症で搬送目立つ高齢者 高血圧・糖尿病でリスク増水分量、医師と相談 体重測定で脱水防ぐ

2019/5/29付
画像はイメージ=(c)RIKA NAKAMURA-123RF
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日本各地が記録的な猛暑に見舞われ、熱中症のリスクが高まっている。特に注意が必要なのが高齢者だ。高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えた高齢者は「熱中症弱者」ともいわれる。毎日、体重や体温、血圧などを測って体調を整えたり、持病や自分の好みに合わせた水分補給の仕方を見つけたりすることが重要だ。

「ちょっと部屋の中が暑いからエアコンをつけましょう」。4月中旬、介護福祉士の竹本綾さん(45、仮名)は90歳の女性が一人暮らしをしている都内のマンションを訪れた。女性は転倒による骨折で、毎週2回、洗濯や入浴などで介護サービスを利用する。この日の東京の最高気温は25度を超え、室内の温度計は29度。竹本さんはまず最初に室温をチェックした。

実は女性は高血圧の持病があり、普段から減塩食をとっている。夏場は汗が出るため、体内の塩分濃度が下がりやすく、体温調節がうまくいかずに熱中症になるリスクが高くなる。さらに降圧剤の中には利尿作用を促すものもあり「夏場の介護では何よりも熱中症が心配だ」(竹本さん)。

在宅介護では、高齢者の体調をヘルパーや看護師などが記録して共有する。熱中症のリスクが高い高齢者が目安の水分量を取れているのか確認するのが大事な注意点だ。

熱中症は暑い環境で体内の水分などのバランスが崩れることで、脱水と体温上昇によって起こる目まいや頭痛、意識障害などの症状を指す。屋外で運動や肉体労働をして起こる「労作性」と、屋内で発症する「非労作性(古典的)」に分けられ、後者の患者層は主に高齢者だ。

2018年は熱中症で9万5千人が救急搬送され、うち半数は65歳以上だった。老化により体内水分量が減って汗をかきにくく、基礎代謝が落ちて暑さに鈍感になることが一因だ。