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串かつ居酒屋、家庭向けに持ち帰り専門店 東京・亀有

日経MJ

2019/5/29付

揚げた商品が見やすいようにガラスケースを設置した

居酒屋「串カツ田中」を運営する串カツ田中ホールディングス(HD)が、テークアウト専門店の出店を始めた。ショッピングセンター、アリオ亀有店(東京・葛飾)内に4月末に開業した専門店は店内に飲食スペースを設けず、ガラスケースに入った串カツを1本ずつ購入することができる。中食市場が拡大する中で、新たな店舗展開を模索する。

「串カツ田中 アリオ亀有店」はカフェやファストフードなどの飲食店が並ぶフードコートに開業した。夕方には近隣の主婦が夕食の献立を考えながら立ち止まる姿も見られる。店頭のガラスケースには揚げたての串カツが並ぶ。店舗面積は約21平方メートルで、調理と販売のみを手掛ける。

通常店舗では約30種の串揚げを展開するが、アリオ亀有店では通常店舗の人気メニューを中心に販売している。串カツは「豚」(129円)、「エビ」(216円)など18種類。加えて馬肉を薫製にした「さいぼし」(540円)や「コロッケ」(140円)などを販売する。

3月に東京ドーム内に開業した店舗もテークアウト専門店だが、アリオ亀有店はアルコールも販売しない、家での食事需要を取り込むための店舗だ。1本から購入可能で、テークアウト専用の容器も用意した。近隣に住むファミリー層を中心に、昼食や夕食の総菜のほか、大人数のパーティーなどでの利用も見込んでいる。

串カツ田中では通常の店舗でもテークアウトが可能で、自宅での食事向けに利用する来店客も多い。ただ、テークアウト専門店になれば客席も不要で、店舗面積も小さくすることができ、商業施設や駅ナカなど出店立地の幅は広がる。串カツ田中HDの近藤昭人取締役は「アリオ亀有店の実績をみて、地方都市でも展開したい」と話す。

日本惣菜協会(東京・千代田)によると、2018年の中食市場は10兆2518億円で、17年比2%増。9年連続でプラスとなっている。共働きや単身世帯の増加で、買ってすぐ食べられる総菜の需要は高まってきている。

10月の消費増税時には軽減税率も導入され、テークアウト商品の税率が8%に据え置かれるのも追い風だ。多くのチェーンがテークアウト専門店の出店に取り組んでいるのが現状だ。

串カツ田中HDは、都心部の私鉄沿線から出店を進め、独自のメニューや禁煙化などで家族の食事需要を取り込んできた。足元では地方都市や、ロードサイドにも店舗の展開を進めている。従来よりテークアウトの需要が高い「串カツ」。テークアウト専門店でも収益性のあるビジネスモデルを築ければ、さらに出店余地が高まる。アリオ亀有店はその試金石となる。

(友部温)

[日経MJ 2019年5月29日付]

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