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エンタメで描く韓国の格差社会 カンヌ映画祭で最高賞

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NIKKEI STYLE

ポン・ジュノ監督が韓国に初の最高賞をもたらし、カンヌ国際映画祭は26日閉幕した。社会の不平等を家族というフィルターを通し、普遍的なエンターテインメントに昇華させた。

「予想のつかないミステリーで、エンターテインメント性と社会性をユーモラスな手法で融合させている。グローバルなテーマであり、映画らしい映画として際立っていた」。コンペティション部門の審査員長を務めたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は、最高賞パルムドールの受賞作に惜しみない称賛を送った。

貧富の相克描く

「パラサイト」は全員が失業中で細々と暮らす一家の父キテクが主人公。息子ギウは家族の期待を一身に背負い、裕福なIT企業経営者の家に家庭教師の面接を受けに行く。貧困と金満。2つの家族の出会いが、予想だにしない悲喜劇へと加速していく。

韓国社会が抱える不平等や階級闘争をテーマに据えた。キテクの家族4人を軸に、コメディー、ホラー、ドラマとあらゆるジャンルを横断する。世界で広がる貧富の相克を明らかにするとともに、総合芸術たる映画の完成形を示すかのように俳優、美術、音楽などが完璧に連動している。

ポン監督は「この映画は冒険だった。それを可能にしたのはスタッフや俳優。彼らがいなければ一コマも撮れなかった」と謝辞を述べた。韓国では30日から上映が始まり、日本でも公開される。

2018年は、社会の片隅に追いやられた「インビジブルピープル(見えない人々)」を映画作家たちがどう描くかが大きなテーマとなった。今年も、各国・地域が直面する難題をグローバルな問題として捉え直した作品が主要賞に選ばれた。

審査員賞を受賞したフランスのラジ・リ監督「レ・ミゼラブル」は、パリ郊外の犯罪多発地区の集合住宅で警察の暴力におびえる黒人の姿を白人警官の視点から描く。リ監督が「20年間変わらない」という根強い偏見と差別を、ドキュメンタリーのような真に迫る映像で告発した。「本当の悲劇に見舞われているのは子供たち」とも語り、さらなる関心を持つよう訴えた。

欧州では民族や宗教の対立をきっかけとした若者の過激化が懸念されている。この問題と正面から対峙したのは、監督賞を受賞したベルギーのダルデンヌ兄弟「ヤング・アフメド」だ。過激思想に染まった少年が凶行に走るさまを通して、困難な時代を生きる子供たちに大人が何をしてあげられるのかと問いかける。

日本でも保護者による子供への体罰、痛ましい事件が後を絶たない。ひとごととして無視できないメッセージが込められていた。

語らない演出

映画という「話法」の豊かさを実感したのは、特別表彰されたエリア・スレイマン監督「天国に違いない」。パレスチナ系のスレイマン監督がパリやニューヨークを旅し、祖国に思いをはせる。どこでもパレスチナ人として見られることから逃れられない自身を客観的に描く。表情はほとんど変えず、セリフは一言。観客の想像に委ねる演出は言葉を重ねるより雄弁で、言語が分からなくても理解できる貴重な作品だった。

コンペには、スペインを代表するペドロ・アルモドバル、圧倒的な映像美で知られるテレンス・マリック、鬼才クエンティン・タランティーノら、そうそうたる監督が名を連ねた。ふたを開ければ、初めてコンペに参加した8人中4人が受賞。新顔が躍進した。

日本人監督の公式部門での選出はなかったが、カンヌ初参加となる富田克也監督の中編「典座―TENZO―」が批評家週間で上映。仏リベラシオン紙が「『サウダーヂ』の日本人監督は、新作を引っさげてカンヌにやってきた」と報じるなど、注目度は高かった。世界に「富田」の名を刻む第一歩となりそうだ。

(カンヌで、近藤佳宜)

[日本経済新聞夕刊2019年5月28日付]

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