プロが教える化粧品整理術 小物はまとめて透明容器に
リップスティックやファンデーション、ブラシ……。化粧品は数が多く、形も大きさもさまざま。毎日使うだけに収納や扱い方にも悩む。使いやすい整理法をプロに聞いた。
メーキャップアーティストのREINAさんは、収納に透明容器を使う。重宝するのが綿棒の空きケース。「深さがちょうどよく、小さなアイテムが取り出しやすい」。収納場所とは離れた場所でメークするため、ケースごと鏡の前に持ち運び、メーク後、そのまま収納場所に戻すという。
持ち運ぶなら大小のポーチを使い分けるのがおすすめ。「中身が見えるファスナー付きの保存袋や小さなポーチに分け、大きなポーチの中に収納すると便利」という。
メークをする場所と保管する場所を一致させているのは、メーキャップアーティストのMICHIRUさん。化粧品は直射日光があたったり、高温多湿になったりする場所では劣化が早まる。その点、洗面台は「温度差が少ないうえ、いつも同じ光の下でメークができる」と話す。
棚は必要なものをすぐ取り出せるように使う頻度でしまう場所を決めている。上段はこまめに使うハンドクリームや日焼け止め。中段は朝夕使う化粧水や保湿クリームなどの基礎化粧品。下段は美容液などスペシャルケア用。アイシャドーなどメーク用品は透明の容器などに立てている。
使う物を厳選 残りは別箱へ
アイシャドーやリップスティックは色や着け心地が様々なので厳選しないと増える一方。MICHIRUさんは「棚に入る量だけと決めている」。新色が出るとお気に入りを入れ替える。悩んだり収納場所に入りきらなくなったりしたものは「ぐちゃぐちゃ箱」に入れ、時間がある時に整理し、一定期間使わなかったら手放すルールだ。
化粧品は下にトレーを敷くか、容器に入れて収納するほうがいい。化粧品はアルコールや香料を含んでいるため、垂れると家具の塗料や洗面台の素材を変質させることがある。汚れたらトレーを洗う。
形やラベルが美しい香水類は洗面台の上に置くMICHIRUさん。メーク中、心地よい「見せる収納」を意識する。
種類が多い場合は「重ねて収納できる透明ケースが使いやすい」(MICHIRUさん)。収納ケースは100円ショップやインテリア用品店で手に入るものでいい。化粧品の高さやサイズと収納ケースの幅や深さをそろえるとスッキリする。
リップスティックなど色を選ぶ場合は、色が見える方向か色番号を上にするとサッと選べる。フタを開けないと色が分からない場合は同色のシールで管理する手もある。
こまめに洗い 立ててしまう
ブラシは毛を傷めないように立てて収納する。「片付ける前に毎回汚れを落として。化粧のりが悪くなり、雑菌が繁殖し肌荒れの原因になることがある」と話すのは日本メイクアップ技術検定協会(東京・港)の戸田愛里沙さん。
ブラシの毛先やスポンジの表面には化粧品の成分や皮脂、汗などが付く。空気に触れると酸化し傷んだり、雑菌が湧いたり。天然毛のブラシの場合は虫がつくこともある。使った後は、収納する前に手入れをしよう。
チークなど粉類に使ったブラシはティッシュをなでるように、色がつかなくなるまで払い落とす。汚れが目立ってきたら、ブラシ専用のクリーナーか中性洗剤をぬるま湯に溶かし、泳がせるように振り洗い。水分を切り、コップなどに立てて陰干しする。直射日光やドライヤーの熱は素材を傷めるので避けよう。
ファンデーションが付いたスポンジは新しい面を使いたいところ。「2、3個をまとめて洗っては」と戸田さん。スポンジ専用クリーナーか中性洗剤を使いやさしく揉み洗いした後、よくすすいで乾かす。粉をはたくパフも定期的に洗う。「仕上げに柔軟剤を軽く付けてゆすぐと、ふっくら仕上がる」
リップブラシはリップクリームか少量の美容オイルを毛先に付け、ティッシュでふき取った後で収納する。汚れが溶けて、うるおいも残る。
20年以上同じブラシを愛用するMICHIRUさんは「衛生面を考え安価な道具を買い替えるより、手入れして長く使う。よい道具はメークを上手に見せ、肌当たりがいい」と話す。気持ちよく、きれいになれる習慣をつけたい。
(ライター 児玉 奈保美)
[NIKKEIプラス1 2019年5月25日付]
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