不合理な営業慣習、打破に挑む西武ホールディングス社長 後藤高志氏(下)

まずはそうした営業姿勢を改めました。事務職にもいい加減な伝票を処理した場合はそのいきさつを厳しく問いました。すると月に100件強あった『無駄な』事務件数がゼロになる月も出始めました。

営業系の行員は面白くなかったでしょう。支店OBに不満を言った人もいたようで、本部から事情聴取されました。報復人事が気にならないといえば嘘になります。ですがアンフェアなことをしてまで立身出世を目指そうとは思いません。大学時代にはラグビーに励み、その精神が磨かれたと思っています。

95年企画部副部長に就任。97年4月に総会屋への利益供与事件が発覚。

次の役職に就く7月までは地獄の日々でした。5月の頭取交代会見でも新たな融資疑惑が判明し会見場がざわつくなど、大変なことになるなと思いました。

事件に関わったとして総務部が家宅捜索を受けたので代わりに株主総会の準備を引き受けたうえ、捜査機関からの電話にも対応しました。まさに目の前のことで精いっぱい。体重は6キログラムも減りました。こうした危機を乗り越えられたのは不合理なことに立ち向かった課長時代の経験のおかげだと今でも思っています。

あのころ
野村証券が総会屋に株主総会対策などで利益供与した事件が発覚。その後、第一勧業銀行も不正が明らかに。後藤高志氏は経営陣の総退陣を主張。同僚だった作家の江上剛氏が命名した若手改革派「四人組」の中心人物となった。

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[日本経済新聞朝刊 2019年5月21日付]

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