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小説共作や楽曲とセット… 共鳴するロックと文芸

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NIKKEI STYLE

若い世代に人気のあるロックバンドと作家のコラボが相次いでいる。小説を共作したり、一つの物語を楽曲と小説で伝えたりと、既存の文芸や音楽の枠を超えて新たな表現に挑む。

「尾崎さんの発想と瞬発力には驚く。ライブの経験が生かされているのかも」。そう話すのは2009年に泉鏡花賞を受賞し、その後、直木賞候補にも名を連ねた作家の千早(ちはや)茜(あかね)だ。人気上昇中のクリープハイプのボーカル・ギター、尾崎世界観と恋愛小説「犬も食わない」(新潮社)を共作し、18年に単行本を出した。

千早はもともとクリープハイプのファン。「尾崎さんが書く歌詞には確固とした物語がある」と、自らの人生を重ねながらアルバムを愛聴してきた。その尾崎が16年に半自伝的小説「祐介」(文芸春秋)で作家デビューし、対談したのを機に共作を持ちかけた。

補完し合う両者

一組の同棲カップルを描いた「犬も食わない」は小説誌「yom yom」で連載。千早が派遣社員の20代女性、尾崎が年下の廃棄物回収業の男性の視点から物語をつづる。連載1回ごとに執筆順を入れ替えながら、全6回で完結した。

作中の2人が愛を交わし、けんかをするのと同じように千早と尾崎の文章も共鳴しながら、時にぶつかり合う。共作のイメージは、ヒップホップのラッパーが相手を挑発しながら即興で歌詞を繰り出すMCバトルだったという。

千早は小説の中に、クリープハイプの曲のモチーフをしのばせた。「『寝癖』という曲があるから、その描写が多いとか、読みながら音楽も連想してほしい」と狙いを語る。15年には小説誌「オール読物」でサカナクションのヒット曲「ユリイカ」に想を得た短編を発表するなど、ロックとのコラボに積極的だ。

ロックの有名曲がしばしば作中に登場する村上春樹ら、以前から多くの作家が同時代の音楽に触発され、ミュージシャンもまた文学から多大な影響を受けてきた。その交感が共同創作まで発展し、両者は補完し合って一つの作品を生む。

小説と曲を一体で

「小説が小説の世界だけにとどまっているのはつまらない。もっと様々なエンターテインメントと一緒に楽しめるような未来がくればいい」。15年に刊行した「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(双葉社)が映画化され、大ヒットした作家の住野よるは、そう期待をかける。18年から、週刊新潮の連載小説「この気持ちもいつか忘れる」でTHE BACK HORNと連携する。

物語では退屈な日々を送る男子高校生が、異世界の女性と出会う。BACK HORNは連載に先行して、物語をイメージした新曲「ハナレバナレ」を配信。「この曲を聴いて生まれたシーンもある」と住野。19年2月には、登場人物のチカが作中で披露した歌を実際に曲にして映像化した「輪郭」が公開された。

住野もBACK HORNの長年のファンだ。自身の作品を「闇の中から光に向かって手を伸ばすイメージを物語全体に持っている」といい、バンドから影響を受けたという。

17年に直木賞候補となった藤崎彩織(さおり)(SEKAI NO OWARI)ら、文才を発揮して、自ら小説を書くミュージシャンも目立ってきた。

ピアノロックトリオのWEAVERでドラムを担う河邉徹は18年に作家デビュー。19年3月に2作目「流星コーリング」(KADOKAWA)を発表した。同時に、小説の場面や登場人物の心情を表現した同タイトルのアルバムも出した。

小説は高校の天文部が舞台。20年に瀬戸内で実際に行われる人工流星の実験がモチーフだ。あらすじを2人のメンバーに伝え、小説と曲の歌詞を並行して書き進めた。「小説では描写が少ない場面を曲で詳しく伝えるなど、一体で楽しめるように工夫した」と河邉。「音楽には言葉にできない部分を埋める力がある。小説と合わされば説得力が増す」と強調する。

ジャンルの壁を越えて溶け合う文芸とロック。今は作家やミュージシャン、そしてファンも活字だけ音だけでは飽きたらず、多様なメディアを自在に使いこなす。バンドのファンが普段は読まない小説を手に取ったり、作家のファンがライブに出向いたりと、ジャンルを超えたコラボは幅広い層に響いている。

(西原幹喜)

[日本経済新聞夕刊2019年5月20日付]

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