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大塚食品の堀部一貴さん

大塚食品の堀部一貴さん

大塚ホールディングス傘下の大塚食品はレトルトカレーの「ボンカレー」などで有名だ。同社の「ウルトラソウルアワード」は「熱く強い意志をもち、人一倍真剣に取り組み、新しい価値を生み出した」社員を表彰する。2018年に受賞した東京支店首都圏量販一課の堀部一貴さん(27)は賞の狙い通り、現場主義を貫きながら地道に新しい販売チャネルを切り開く。

堀部さんが販路開拓にあたって目を付けたのはホームセンターだ。「食品を扱っているイメージが薄く、大塚食品では取り組めていなかった」。コメやケース入りの飲料などは扱っており、食品がないわけではない。「まとめ買いする必要がある商品はよく売れている」だけに、都内に拠点を置く大手ホームセンターにレトルト食品シリーズの「マイサイズ」を売り込んだ。

マイサイズはカロリーを統一し、塩分などを抑えたレトルトカレーなどのシリーズ。カロリーや塩分摂取量に制限がある人や健康を気にする人などに向けて薬局を中心に販売している。「スーパーと同じ商品を並べてもホームセンターには勝ち目がない」。売り込み先の担当者の声を受けて、健康をテーマに売り場を作ることを提案。交渉は順調に滑り出した。

「相手の懐に飛び込む」ことを信条とする堀部さんはマイサイズを手に首都圏の店舗を回った。とりあえず試験販売は決まったが、売れなければ取引は無くなる。「まずは店員さんたちに商品に興味を持ってもらおう」と試食してもらった。ホームセンターは女性の店員が多く、簡単に調理ができて健康的という製品コンセプトが多くの人に受け入れられたという。

とはいえ、ホームセンターの主力商材はあくまで生活雑貨などで、食品への店員の関心は決して高くない。販促用に飾りが付いた段ボール製の棚などを店舗に送っても、興味を持ってもらえなければ店頭には出ない可能性がある。堀部さんは「店員に売ろうと思ってもらわないと商品は売れない」と考えて実施したのが試食だ。その効果は高く、「ここに空きスペースがあるから商品を2倍並べられるよ」と声を掛けられることも出てきたという。

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