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リハビリ支援、ロボが一役 対話型やゲーム型で楽しく

看護師の負担減も期待

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NIKKEI STYLE

脳卒中で手や足がまひした患者にとって、発症前の動きにどこまで回復できるかは生活の質に大きく関わる。機能を回復するためには、できるだけ早く十分なリハビリテーションを始めることが重要だ。近年はリハビリを支援するロボットが次々に登場して効率的なリハビリに貢献。足だけでなく腕や手などの機能回復を助けるロボットが開発され、導入する医療機関が目立ってきた。

総合東京病院(東京・中野)は最新のリハビリロボットを7台導入してリハビリの効率を高めている。その一つが足がまひした患者の歩行訓練を支援する「ウェルウォークWW-1000」。屋内でランニングやウオーキングをするための健康器具「トレッドミル」と患者の関節に装着するロボットを組み合わせた構成。患者の体をワイヤでつり上げて体重を支えるとともに転倒しないようにして、ロボット部分が足の振り出しを補助してトレッドミルの「動くベルト」の上を歩く。前の画面の映像で自分の歩行の状態を確認し、歩行能力に応じてスピードの調整もできる。

トヨタ自動車と藤田医科大学医学部の才藤栄一教授が共同開発し、2016年11月に医療機器として認可された。同教授は「自分の足で歩く感覚を取り戻し、歩けるようになるのが1.6倍早まる」と話す。

脳卒中でまひした腕や手など上肢の機能回復訓練を支援するロボットも増えてきた。4月にオープンした東京リハビリテーションセンター世田谷(東京・世田谷)は上肢リハビリ用訓練支援ロボット「パブロ」を導入した。

画面を見ながら球状のコントローラーを前後左右に操作してキャラクターを動かし、「獲物」をキャッチするゲーム感覚の訓練で、能力により難易度を10段階で設定。結果は点数で表示される。

3月中旬に脳梗塞を発症した都内の川崎練三さん(仮名、79)は4月初めに急性期病院から転院。右の手にまひがあり、指は全く動かなかったが、ほぼ毎日、パブロで訓練を続けると、だんだん手の筋肉が動く感覚が蘇り、手首も動くようになった。1カ月後にはコントローラーを巧みに操って、当初のレベル1からレベル7に到達した。「楽しんで訓練できるうえ、成果が数字で出るので達成感がある」と川崎さんは笑う。

同センターの原寛美センター長は「かつては腕や手などの訓練支援ロボットは少なく、指が動かないまま退院する人もいたが、近年は支援ロボットの開発が相次ぎ、状況が一変した」という。16年には帝人ファーマが「ReoGo-J」を発売し、数多くのリハビリ現場で使われている。

錯覚を利用して上肢の機能を回復させる装置もある。慶応大リハビリテーション医学教室の金子文成・特任准教授が開発した「KiNvis(キンビス)」は幅90センチ、高さ180センチ、奥行き120センチの空間で構成されたシステムで、患者が目の前の台に両手を置くと小型機器が感知してコンピューターが左右の手を反転させて映し出す。

左手がまひした患者なら正常な右手を動かすとその映像が左側に見えるので、まるで不自由な左手が動いているように映る。「まひしている手が動くというイメージを脳に送ることで、運動する能力を呼び起こす仕組み」と金子特任准教授は説明する。医療機器メーカー「インターリハ」(東京・北)が17年秋に製品化し、既に10の医療機関が導入したという。

「きょうは何曜日?」「あなたの趣味は?」。ベッドサイドのAIロボットが患者に質問を繰り返す。埼玉医科大国際医療センター(埼玉県日高市)が脳卒中集中治療室での活用をめざしてユニロボット(東京・渋谷)と共同開発している「MAIR-unibo」。会話を通じて患者の意識をはっきりさせ、日中に十分なリハビリができるようにする対話型ロボットだ。

同センター運動呼吸器リハビリテーション科の高橋秀寿教授は「脳卒中には早期に積極的なリハビリをするほど機能回復効果があるが、麻酔などの影響でせん妄状態になったり、昼夜が逆転して日中に意識がもうろうとしたりしてリハビリができない患者が少なくない。MAIR-uniboを使って意識を早く戻し、しっかりリハビリができるようにしたい」と語る。

あらかじめ患者のプロフィルを入力した後、対話を通じてAIラーニングで患者の情報を増やしていく。高橋教授は「看病する家族とよく話す患者ほど回復が早い。急性期の脳卒中患者にとって会話は極めて大切。看護師は積極的に話しかけるようにしているが、代役として患者の話し相手となれば看護師の負担減も期待できる」という。

昨年度に採択された県の補助金も使って研究を続け数年後の認可をめざす。

◇  ◇  ◇

介護でも活用後押し

超高齢社会で介護が必要な高齢者が増えるなか、政府は産業用ロボットで培った技術を医療・介護分野に応用して質を高めようとしている。2019年度予算では「介護ロボット開発等加速化事業」に6億2千万円を計上するなどして後押ししている。

すでに保険適用となっているのは装着型ロボットスーツ「HAL医療用」。

筑波大発ベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)が開発し、人が体を動かそうとしたときに脳から筋肉に伝わる微弱な電気信号を皮膚に貼り付けたセンサーが捉え、モーターを動かして動きを助ける。16年1月にALS(筋萎縮性側索硬化症)など8疾患で保険適用となり、回復期のリハビリでの活用も広がっている。

15年1月に国のロボット革命実現会議が発表した「ロボット新戦略」は「人が行っていた作業をロボットに代替させるのではなく、人の足りない部分を補ったうえで人が高付加価値へシフトできるようなパートナーとしてのロボット」を目標に掲げている。介護現場でロボットの活用が進めば、人手不足の緩和にもつながる可能性もある。

(編集委員 木村彰)

[日本経済新聞朝刊2019年5月13日付]

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