ゴミの山に埋もれぬ一手間 プラ素材は切り刻む
食事を総菜や弁当で済ませたり、インターネットで買い物をしたり。生活は便利になったが、困るのはゴミの山だ。ゴミをコンパクトに捨てるコツをおさらいしよう。
ゴミが多いとゴミ袋1つでは収まらないこともある。袋の価格自体は大きな負担にならないかもしれないが、ゴミを保管するスペースの確保は大問題だ。
プラスチック、缶、瓶、紙、一般ゴミ……分別し、それぞれ丁寧に対処するとスペースの問題は解決する。手間はかかるが、基本中の基本だ。
飲み終えたペットボトルは、そのままだと液体の入っていた場所が空間になる。踏んでつぶすと、この空間が減る。もっとも、天然水などの丸いボトルはつぶしやすいが、最近流行している炭酸水のボトルは、少しコツがいる。
ペットボトルも 思いっきり踏む
普通のボトルは上から踏み込むだけで済む。しかし、炭酸用は真上からでないと転がる。ガス圧に耐える固い素材だからだ。真っすぐ力いっぱい踏みつぶす。もちろん缶も踏みつぶして体積を減らす。
焼きそばや焼き鳥などが入っている、本体とフタがつながった容器は切り分ける。ふた付き容器はフタが「バネ」のようになり、ゴミ袋の中で無駄な空間を作る。切り離してこのバネを断つ。
底の浅い容器は、この作業だけでゴミ袋に効率よく詰め込められる。他方、サラダやカップ麺の容器のように深さがあるものは容器を縦横半分ずつに切って重ねるといい。
切る道具はキッチンばさみ。プラ素材を切るので、刃の支点になるネジがしっかり留まったものがいい。自分は料理には使わず、袋やパックの開封と解体専用にしている。切り口で手を切らないように注意をしながら切るが、気になる人はゴム手袋をはめて作業しよう。
切り刻んだプラの破片をゴミ袋に詰め込む時は袋を切らないように注意する。こうしたことに少し気をつけるだけで、プラゴミのかさはグッと減らせる。卵パックも踏み潰すとペラペラだ。
ビニール素材は復元力が強く、菓子袋やレジ袋を丸めてゴミ袋に入れても中で広がる。しかし、キレイにたたんで捨てれば押さえ込める。また、キムチやプラカップ容器を捨てるなら、中に袋ゴミを詰め込んでしまうのも一案。容器以上には膨張しない。フタがあれば封をすることで飛び出して膨れあがるのも防げる。
スーパーの回収場に持ち込むリサイクル対応の食品トレーは大きさが同じ物同士を重ねる。大きい順に重ねるとバラバラに重ねるよりも、よりコンパクトになる。牛乳パックも同様だ。
段ボールや厚紙 面倒でもバラす
紙ゴミの場合は、バネ効果を最小限にすることを意識する。とくに段ボールや厚紙は面倒でもきれいにバラす。折り込まれていると反発力が出てバネになり空間を作ってしまう。どうしてもバネが強い場合は折った外側にカッターで切れ込みを入れるとペタッと折れ、かさがグッと減る。
新聞の折込み広告は紙の束を一気にまとめて折ると折り目の内側が丸くなり、その分バネの力が出る。手間ではあるが1枚ずつ折ると空白は小さく、コンパクトになる。枚数が増えると1枚ずつ折っても膨らむが、ひもで縛るとギュッとまとまるのは1枚ずつ折ったときのほう。まとめ折りだと、縛った時の反発が大きく、ひもも緩みがちになる。
お菓子の箱も紙のバネに気を付けたい。箱詰めの際に箱をパパッと広げて詰めてくれるが、片付ける時にはその逆をすればいいだけ、ではない。箱を展開するのはバネ効果を利用しているからだ。箱はどこかでのり付けされている。のり付け部分をバラして展開すると、1枚の紙になる。
とはいえ、展開したままでは保管場所に収まらない場合がある。保管場所にあわせて折ろう。折る向きを逆に重ねるとバネの効果は減らせる。
ゴミ収集日までの保管場所は、どの家庭でも悩みのタネだろう。我が家では生ゴミ以外はすべて収納棚の一番下に保管している。キャスター付きの収納ボックスに紙袋で仕切りを作り、雑紙やスーパーのレジ袋、食品トレイと牛乳パック、ペットボトルキャップなど、ゴミの収集日や回収場所に合わせて管理している。
(家事ジャーナリスト 山田 亮)
[NIKKEIプラス1 2019年5月11日付]
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