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日本の素材でクラフトジン続々 焼酎・泡盛ベースも

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日本で素材にこだわった手作り感覚のクラフトジンに参入する生産者が増えている。2016年以降初めて発売した生産者は約20社。今年も4月までに少なくとも5社が発売している。「ジャパニーズ・クラフトジン」が盛り上がる背景とは――。

「海外のジンより飲みやすく、素材の特徴が際立っている」。大阪府に住む会社員、郷上佳孝さん(37)がうなるのは、今年創業300年の日本酒の蔵本、油長酒造(奈良県御所市)が4月に発売したクラフトジン「橘花(きっか)KIKKA GIN」。郷上さんは発売後すぐに2本購入した。

油長酒造は築150年の木造家屋を蒸留所に再生。素材に奈良で生産される希少なかんきつ類「大和橘(やまとたちばな)」と、根が生薬になる「大和当帰(やまととうき)」の葉を使ったのが特徴だ。初回出荷分607本は既に在庫なしと好調。初年度出荷目標は5000本だ。

ジンは16~17世紀にオランダ・ベルギー周辺で生まれ、英国で広まった蒸留酒。一般にアルコール度数は40%弱以上で、日本の酒税法上はラムやウオッカと同じスピリッツになる。農産物由来の蒸留酒ベーススピリッツにジュニパーベリー(セイヨウネズ)を中心とした多様な植物をつけ込むなどして再蒸留する。

クラフトジンに明確な定義はないが、10年ごろから47種類の植物を使ったドイツの「モンキー47」などが素材にこだわった手作り感覚のジンとして注目を集め、世界的ブームになった。日本でも商機とみて、焼酎や泡盛など地方の酒蔵を中心に参入が相次ぐ。

今年も油長のほか1845年創業の薩摩焼酎の老舗、西酒造(鹿児島県日置市)など5社以上が参入。16年以降参入した生産者は大手を含め全国約20社に達する。

草分けは16年に参入した総合酒類の宮下酒造(岡山市)と、英国人起業家らが設立したNumber One Drinks(京都市)。後者の「季の美 京都ドライジン」を製造する京都蒸溜所は今年2月、英国のジン専門誌から世界最高のクラフト蒸留所に与えられる「クラフト・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。

参入が増える背景には敷居の低さがある。まず初期投資。油長では蒸留設備や古い建屋の再生に約2000万円かかった。ウイスキー文化研究所(東京・渋谷)の土屋守代表によると「ウイスキーなら1億~2億円はかかるがジンなら数十分の一」という。

ウイスキーで主流のスコッチ式は3年以上のたる熟成が必要だがジンは蒸留すれば商品化できる。「ウイスキーへの参入を目指す生産者がジンをまず手掛けるケースも多い」(同)。焼酎や泡盛の蔵本が目立つのは既存の設備やノウハウを流用しやすいから。今年参入した焼酎製造の清洲桜醸造(愛知県清須市)は焼酎と同じ設備で蒸留する。

原料がサトウキビ限定のラムと違い、ジンはジュニパーで香り付けすればベーススピリッツの原料はコメやイモでも構わない。焼酎を使う浜田酒造(鹿児島県いちき串木野市)や泡盛を使う瑞穂酒造(那覇市)など自社の酒を原料にする酒蔵も目立つ。

ジュニパー以外の植物の種類も比較的自由で、橘花のように地域の素材を売り物にする製品は多い。北海道自由ウヰスキー(札幌市)の「9148 No.0101」は北海道産の冬島昆布やシイタケ、切り干し大根を使っている。

販路は百貨店や酒販店中心だが、一部コンビニエンスストアなど裾野は広がる。クラフト市場は明らかでないが、サントリースピリッツ推計の1本22.5ドル(約2500円)以上の国内ジン市場規模(メーカー出荷ベース)は17年、前年の2.4倍の2.7万ケースに拡大した。追い風とみる企業の参入は続きそうだ。

◇  ◇  ◇

国内イベントに5000人集う

国産クラフトジンに出合える場所は増えている。ジンを楽しむ英国発祥の「ワールド・ジン・デー」に合わせ、6月8~9日に東京・品川で国内最大級のジンイベント「ジンフェスティバル東京」が開かれる。

5000人が来場した昨年に続く2回目で、出展企業50社中、国内生産者は16社と昨年の11社を上回る。「来場者の国産クラフトへの注目度は高い」(運営事務局)

17年に東京・神田に開業したジン専門酒販店「グローバルジンギャラリー」では約10銘柄がそろう。少量生産の「アルケミエ ジン」やノンアルコールの「ネマ」が人気だ。

(堀聡)

[NIKKEIプラス1 2019年5月4日付]

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