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骨が固まる難病「強直性脊椎炎」 新薬に期待 初期症状は、朝起きた時の背骨や腰の痛み

2019/4/29付 日本経済新聞 朝刊

「強直性脊椎炎」は、進行すると前かがみのままの姿勢になってしまう原因不明の難病だ。背中や腰に痛みが続き、患者の9割近くが40歳未満で発症している。最近では新しい薬が登場し、従来の薬で適切な治療が得られなかった患者にも効果が期待される。医療の現場で選択の幅が広がっている。

通常、骨と骨、骨と筋肉は直接つながっているのではなく、その間を靱帯や腱(けん)が結んで、関節の動きをなめらかにしたり、骨を傷めたりしないようにしている。

強直性脊椎炎は進行すると前かがみのままの姿勢になってしまう=順天堂大提供

強直性脊椎炎の患者は靭帯や腱が骨に付く部分に炎症が生じる。炎症を修復する過程で、詳しい原因は分かっていないが骨がつながって固まり、体の動きが悪くなる。

病状が進むと次第に背骨の動きが悪くなる。骨が固まり動かなくなる「強直」という状態になる。靴下をはいたり、上を見上げたり、手を伸ばしてモノを取ることなどの屈伸動作がスムーズにできなくなる。体が硬くなったと自覚できる症状だ。

病気で骨が硬く動かなくなるが、骨自体は炎症により弱くなり、骨粗しょう症が起こってくる。進行する患者には前を向いて歩くのが難しくなる人もいる。

埼玉県越谷市に住む男性(36)は約10年間治療を続けている。これまで治療薬が合わずに手のひらに発疹が現れ、ツメの変形を繰り返していた。仕事は中華料理店で調理を担当しており、「見た目が悪く、周囲の目もあり気分が落ち込んだ」という。

国内で長らく使用されてきた薬物治療は、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)。ただ効果が不十分だったり、消化器の障害などの副作用により治療を継続できない患者もいた。

その後に使われる「TNF(腫瘍壊死=えし=因子)阻害薬」という生物学的製剤は、関節リウマチでも使用される薬だ。

炎症を起こす物質(TNF)を中和する効果が強直性脊椎炎にも有効であることが認められ、「インフリキシマブ(商品名レミケードなど)」「アダリムマブ(同ヒュミラなど)」の2種が2010年に日本で使用可能になった。だが十分な効果が得られなかったり、副作用で使用できなかったりする患者もいた。

そこで登場したのが新たな生物学的製剤「セクキヌマブ(同コセンティクス)」。昨年12月に厚生労働省から強直性脊椎炎に効果があるとして承認を受けた。

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