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大阪通天閣への訪日客 くら寿司が多言語でおもてなし

日経MJ

店舗外観に掲げられたオブジェ前では多くのインバウンドが写真を撮っている
店舗外観に掲げられたオブジェ前では多くのインバウンドが写真を撮っている

回転ずし大手のくらコーポレーションは、インバウンド(訪日外国人)をターゲットとする「無添くら寿司 新世界通天閣店」を大阪市の観光名所「通天閣」近くに開いた。交流サイト(SNS)映えを狙って設置した回転するすしのオブジェが目印だ。多言語対応の自動案内機や無料Wi―Fiを導入し訪日客が利用しやすい環境を整えた。増加する訪日客の需要を取り込むべく、同様の店舗を積極展開していく考えだ。

オープニングリーダーの幾田暁さんは「アイドルタイム(午後2時~5時)でも客が絶えない」と笑う。回転ずし店は郊外の大型店が多く、訪日客の割合はほかの外食店に比べて低い。くら寿司も同様だが、新世界通天閣店の訪日客の割合は約4割にも達する。

「初めてくら寿司を訪れるだけでなく、初めての回転ずしというお客さんも多い」(幾田氏)。こうした回転ずし“初心者”にも安心して利用してもらえるように、英語、中国語、韓国語、ベトナム語のいずれかに対応できるスタッフを常時2人以上フロアに配置している。スタッフの名札には、どの言語に対応できるかが記してある。

システム面でも訪日客が利用しやすい環境を整えている。くら寿司として初の試みとなる、多言語対応の自動案内機と無料Wi―Fiを導入。自動案内機には日本語の音声案内に加えて英語、中国語の文字案内が表示される。

外部に飾られた回転レーンをモチーフにしたオブジェも道行く訪日客を惹きつける。15分に1度、オブジェ中央からマグロの人形が飛び出して時間を教えてくれる。

通天閣に向かう訪日客は次々に足をとめ、記念撮影する。「オブジェに興味を持ち、そのまま来店してくれる」(広報)訪日客も多いようだ。SNSでの宣伝効果も見込んでいる。

くら寿司は郊外だけでなく、首都圏を中心に駅近くなど市街への新規出店も進めている。観光地だけなく、利用者の多い駅付近でも訪日客の存在感は大きくなっている。くら寿司は郊外店舗が多いとはいえ、出店を進める上で訪日客対応の重要度は高くなっている。今後は京都などの観光地や都心の店舗でも、新世界通天閣店のシステムの導入を検討していく。

通天閣前という好立地を生かし訪日客を取り込むくら寿司。近年、積極的な海外展開を進めており米国と台湾で出店している。今後はそれぞれの国・地域で年に5カ所のぺースで新店を出す方針を示している。

日本で訪日客を取り込むだけでなく、訪日客にSNS上で情報発信をしてもらい、海外店舗での利用者の増加にもつなげたい考えだ。

(下野裕太)

[日経MJ 2019年4月24日付]

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