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42種超えるワインゆったり楽しむ肉バル 東京・新宿

日経MJ

log50では落ち着いた店内空間で肉とワインを提案する(東京都新宿区)
log50では落ち着いた店内空間で肉とワインを提案する(東京都新宿区)

居酒屋チェーンを展開するテンアライドが肉バル業態「ミートキッチン log50(ログフィフティー)」の出店を始めた。ワインと肉を主力に、客単価を3500円超と従来より高い価格帯に設定。都心部の1等地を中心に新たな客層を開拓する。創業50周年を迎えたテンアライド。ファンの若返りを進めるための新業態に育つか。

新宿三丁目駅(東京・新宿)から徒歩1分。店に入るとキッチンを囲むように、木目調に統一されたテーブルが広がる。高い天井と抑えめの照明。テーブルからは料理場の様子が目に入る。昨年10月に開業したlog50は、仕事帰りらしい女性客や若いカップルなどでにぎわう。

人気商品はニュージーランドの牧草牛を使ったテンダーロインや、米国産牛ハラミなど5種の肉を使った「1ポンド肉盛り」(3980円)や子羊を使った「ラムチョップ」(450円)。料理に合わせて42種を超えるワインを提案する。

肉以外にはバケット付きの「痺れアヒージョ」(850円)や「ポルチーニのリゾット」(750円)など女性を意識をしたメニューも目立つ。落ち着いた雰囲気と合わせて「落ち着いた空間で、肉とワインをゆっくり楽しめる」(テンアライド)というコンセプトだ。

テンアライドの主力ブランドである「旬鮮酒場 天狗」や炭火串焼き「テング酒場」は単価2500~3千円。初めての肉バル業態となるlog50の客単価は3500~4千円と他の業態より高めに設定した。

新業態の狙いは新たな立地や客層の開拓にある。さまざまな料理がそろい、都心のターミナル駅や中空階に展開する総合居酒屋はサラリーマンの宴会需要を取り込みながら大きくなってきた。しかし、足元では働き方改革や若者の酒離れなど逆風も強い。

一方で個店を中心に比較的単価の高い肉バルなどが人気を呼んでいる。友人や同僚など、少人数で利用する際には客単価が高くなる傾向がある点に目をつけた。

log50の店名はテンアライドの「テン(10)」と「g(ぐ)」、50周年をもじったもの。創業半世紀を迎えたテンアライドにとってファン層の高齢化は大きな課題。従来の業態のテコ入れだけでなく、若い客層をつかむための新業態も不可欠だ。「働き手にとっても魅力的な店作りが課題。オープン時には100人強から応募があるなど、雰囲気やコンセプトが伝わっている実感がある」(テンアライドの飯田健太常務)

商業施設内のテナントなど新たな立地にも出店の可能性は広がる。1号店の新宿三丁目店の成否が、今後の出店の勢いを占うことになる。

「いきなり!ステーキ」を筆頭に手軽に肉を楽しめる「ファストステーキ」は消費者のあいだに定着しつつある。アルコールを出す肉バル業態も出店が相次ぎ、競合も多い。総合居酒屋の老舗、テンアライドがこれまでに蓄えてきたノウハウをどう生かせるかがカギとなりそうだ。

(江口良輔)

[日経MJ 2019年4月17日付]

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