交流サイト(SNS)の広まりと共に、食のブームは目まぐるしく変わっている。ブームに敏感な人が行き交うJR原宿駅から徒歩6分、「生クリーム専門店MILK CAFE原宿店」はある。様々な業態の飲食店を経営するオペレーションファクトリー(大阪市)が運営する。
提供するのはできたての生クリームがたっぷりかけられた「ふわとろシフォンケーキ(780円)」や、熱いパイに冷たいアイスとクリームのかかった「究極の生クリームパイ(880円)」など、どれも生クリームにちなんだものばかり。
一般に「クリーム」には2種類ある。動物性脂肪(乳脂肪)のみでつくられる「生クリーム」と、乳脂肪に植物性脂肪を混ぜたものや植物性脂肪のみでつくられる「ホイップクリーム」だ。
同店は生乳だけで作ったコクのある生クリームのみを、できたてにこだわり提供。通常よりもゆるめの柔らかいクリームは濃い牛乳のようなコクがしっかりと感じられるが、後味はさっぱりとしており、脂っこさは感じない。しっかり甘いが、あとをひく絶妙な味だ。筆者も一口食べて旨味の濃さとスッと消える切れの良い後味に驚いた。
開業にあたり市川貴洋さんは様々な地域の生クリームを食べ比べ、牧場をリサーチ。その上で理想的な環境と感じた「北海道根釧地区」の脂肪分が異なる2種類の生乳を使い、濃厚な風味とすっきりと切れの良い後味を備えた生クリームを開発した。「生クリームは店内キッチンで泡立てて、1時間以内に提供する。作りたてであるということがおいしさ。素材もそうだが、工程が贅沢だと思う」(市川さん)