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私の課長時代

飲食・娯楽の融合を夢見て 原点は「マック」 イオンファンタジー社長 藤原信幸氏(上)

2019/4/2付 日本経済新聞 朝刊

子供らが楽しめる「モーリーファンタジー」

■遊戯施設運営大手イオンファンタジーの藤原信幸社長(50)の商売の原点はマクドナルドにあった。

高校時代のアルバイトを経て、正社員になりました。最初に配属された埼玉県の店舗は郊外にありました。慢性的な人手不足で、辞めたいとこぼす従業員には「半年頑張れ」と鼓舞する日々。近くの団地に求人のポスターを必死で貼り、省人化投資も進めました。

接客が好きで、店を繁盛させるには人を大切にすることが重要と感じていました。従業員のやる気を引き出し、楽しく働いてもらう雰囲気づくりに腐心しました。店舗運営が改善し始めると従業員の顔が見違えるように良くなるのです。

■飲食とアミューズメントを融合したレストランに夢を見た。

ふじわら・のぶゆき 日本マクドナルドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を経て、04年イオンファンタジー入社。18年から現職。埼玉県出身

転職したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、飲食店運営などを任されていました。ある日、再び転職の誘いを受けました。イオンファンタジーの創業者で、アミューズメントを取り入れたキッズレストランを出したいというのです。まだ世に出ていない事業に携われる面白さに胸が躍りました。

30代半ばでもう一度チャレンジしたいと思っていた頃でした。すぐにイオンファンタジーの本社を訪れ、社長と面談し、3時間も話し込んでしまいました。

■面白い企画だったが、成長性に疑問が生じて断念。

04年5月に入社すると、キッズレストランのコンセプトを3カ月で練ってほしいと言われました。7月末に親会社イオンの岡田元也社長に説明するというのです。説明する際の理解の助けになればと模型も作りました。予算がなく、マッチ棒などを購入して、1メートル四方の模型を部長とともに夜遅くまで手作りしました。

岡田社長からは面白いと評価されました。ただ、「チェーン化して家賃を払えるのか」と指摘され、出席者は言葉に詰まってしまいました。飲食店は利益率が高くありません。その中で、高コストのアミューズメントを入れると成長戦略を描けないというのです。

ローコストモデルも検討しましたが、半年後に事業計画の凍結が決まりました。新業態の飲食店開発のために入社したので、イオンファンタジーの主力事業であるゲームには関心がありませんでした。社長に「辞めましょうか」と切り出しました。

あのころ
バブル崩壊後、日本の景気は長期に冷え込み、大手金融機関が相次ぎ倒産した。消費低迷を背景にデフレ傾向も強まり、マクドナルドではハンバーガーを一時59円まで値下げした。

[日本経済新聞朝刊 2019年4月2日付]

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