人事・昇級制度を手づくり 若手の悩みをすくい上げる三菱地所社長 吉田淳一氏(下)

人件費も試算しましたが、翌年の昇格率は簡単に出せても5年後は個々にばらけていくので難しい。数字に強い社員の力を借り、社員番号で機械的に昇格期を分け試算しました。

同時に、若い時に不当に厳しい評価を受けると、その後に成果を上げても給与に差がついたままになる制度も改めました。同じ資格に同時期に昇格すれば基本給のスタートラインは同じになるようにしました。

制度改革はコンサルタントを使えば早くできます。でも当社の実情を知らない外部の人に任せるのは嫌でした。自分たちで作れば、制度の実効性が高まると考えました。

全社員を対象に、人事部門が面談を受ける制度も作った。

昔のように酒席を交えて悩みを打ち明ける場面も減り、心の問題で休む社員が増えました。我々6~7人で手分けして、上司に言いづらい若手社員の悩みなどをすくい上げました。本人の了解がなければ、名前は所属長にも伝えないようにしました。

私は楽観的で好きな言葉は「雲の上はいつも晴れ」。おかしいと思ったことを仕事の原動力にしました。改革に終わりはありませんが、家族的な雰囲気を大事にする社風は今後も大切にしていきたいです。

あのころ
1995年に発生した阪神大震災を受けて、老朽ビルの再開発機運が高まった。丸の内地区では2002年の丸の内ビルディングの建て替え開業を機に、商業施設も充実。家族連れなど新たなにぎわいが生まれた。「丸の内」ブランドが復権した。

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[日本経済新聞朝刊 2019年3月26日付]

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