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池上彰の大岡山通信

問い続けたホーキング博士 「自分で考える」を大切に 池上彰の大岡山通信 若者たちへ

2019/3/25付 日本経済新聞 朝刊

惰性に流されず、「なぜだろう?」と常に疑問を持つことが大切なのです

4月を迎えました。学校を出て社会へと旅立つ若者も多いことでしょう。5月からは元号が変わります。あなたたちは「平成最後の入社組」と呼ばれるようになるのですね。

4月に入社すると、当初は新人扱いされますが、来年以降、後輩たちが入ってくると、いずれ「先輩は平成入社なんですか」と年寄り扱いを受けるようになるでしょう。西暦ならこんなことはないですから、元号というのは不思議な働きをするものです。

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いまの時期になりますと、さまざまな学校から「入試問題として引用させていただいた」との通知が届きます。中学、高校、短大、大学など多種多様です。著作権法の例外規定で、入試問題として著作から引用する場合は、事前の許諾が必要ないからです。

それはそうですね。事前に許諾を求めたら受験生に漏れてしまうかもしれませんから。

入試問題として引用されたものには、このコラムも複数あります。ただ、「筆者が言いたいことは何か」というものではなく、「この文章を読み、これを基にあなたの考えを書きなさい」というタイプの記述式です。

こういう出題は、私としても嬉(うれ)しいですね。「自分の頭で考える」ことの大切さがわかるからです。

社会へ出ていく人たちに私が強調したいのも「自分の頭で考える」ことです。このところさまざまな大企業で検査の不正や検査結果の改竄(ざん)などが相次いで明るみに出ているからです。

こうした不正には長年続いていたものがあります。「これまでやってきたことだから」とばかり、深く考えずに惰性で続いてきたものもあるように思えます。

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