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軽度認知障害、正常に戻るケースも 運動に予防効果

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認知症を疑い自ら受診する人が増えて、その前段階ともいわれる「軽度認知障害(MCI)」と診断されるケースが出てきた。日本では65歳以上の4人に1人が「認知症またはMCI」の状態だといわれる。認知機能低下のサインや受診タイミングの見極め方、MCIの診断方法や症状の進行などを知っておこう。

後天的な脳の障害によって認知機能が持続的に低下し、日常生活に支障をきたす「認知症」。認知症の専門外来、のぞみメモリークリニック(東京都三鷹市)の木之下徹院長は「最近は、自らの認知症を疑って受診する人が受診者の2割を占める」と話す。

かつては、子供や家族に連れられて認知症の診断を受けに来る人が大半だった。「同じ話を繰り返す」「計画が立てられない」といった行動の変化で、周りの人が認知症の兆しに気づきやすいためだ。

自分で認知症を疑って受診する人が増えるなか、注目を集めているのがMCIだ。MCIは「正常」と「認知症」の中間状態を指し、認知機能の低下が見られるものの、日常生活に支障をきたさない範囲にとどまる。本人は「前日の夕食の内容が思い出せない」「これまでできたことが、同じ時間内に終わらなくなった」といった自覚があり、不安を抱いている。

厚生労働省研究班の2012年時点での調査によると、MCIの高齢者数は推計400万人。認知症の高齢者数の推計値(462万人)とほぼ同数だった。MCIは認知症リスクの高さを示すとされるが、周りの人が気づきにくいため、早期発見には個々人の自発的な受診が欠かせない。

国立長寿医療研究センターの島田裕之・予防老年学研究部長は「記憶力や作業水準が下がったと自覚したら、年齢にかかわらずかかりつけ医や専門医を受診して、認知機能検査を受けるべきだ」と勧める。検査で機能低下がみられたら、MCIと診断する。

MCIと分かったら、原因を特定する。日本神経学会(東京・文京)が監修した「認知症疾患診療ガイドライン2017」によると、MCIが認知症に進行するケースは年5~15%。画像診断などで認知症の前段階であると分かった場合、多くは認知症に進行する。

一方で、正常に戻るケースも年16~41%あることが分かっている。正常な状態に戻ったMCIの症例の多くは、抑うつ状態や睡眠障害、多剤服用、糖尿病や高血圧など「改善や管理ができる症状によって起きた認知機能障害である可能性が高い」(東京都健康長寿医療センター研究所の粟田主一研究部長)。全てのMCIで正常に戻ることを期待できるわけではない。

MCIの診断がついた時点で、認知症を防げるのか。認知症介護研究・研修東京センター(東京・杉並)の山口晴保センター長は、「発症を完全に食い止めるのは難しいが、発症を先送りするという意味では予防が可能」と話す。

 山口氏のおすすめは運動だ。「運動することで認知症リスクが低下するという多数の研究成果があり、認知症予防では一番確実」。ダンスや楽器演奏なども、認知機能の保持や記憶の向上に寄与するという。発症を不安がると、神経細胞がダメージを受けて認知症のリスクはむしろ高まる。

粟田部長は「自分がMCIだと知ることで、将来への準備や対策を早く始められる」と指摘する。大事な意思決定は文章に残すといった取り組みに着手するとよい。

受診にためらいがある場合は、自分で認知機能の状態を調べるツールを使うのも一案。SOMPOホールディングスは保険加入者向けのサイトで、認知機能の簡易チェックなどを提供する。

ひろかわクリニック(京都府宇治市)の広川慶裕院長が監修しており、1回5分程度で何度でも使える。認知機能向上のトレーニングにも活用できるという。国立長寿医療研究センターは現在、愛知県と共同でMCIの兆候を見極めるスクリーニングシートを開発中だ。

◇  ◇  ◇

認知症、恐れすぎもNG

専門家らは、認知症の発症に過剰なおそれを抱く人が多いことを懸念する。粟田部長は「自分がMCIと知ってショックを受け、自信が揺らぎ社会との接点を失う人が多い」と指摘する。

木之下院長によると「認知症予備軍と見られるのを恐れ、『MCIの診断を秘密にしてほしい』という受診者もいる」。必要な手を打たなかったり、社会的孤立を深めたりする人も出ている。

現実には認知症患者の多くが社会生活を営んでいる。認知面に課題を抱えつつ前向きに過ごすには、周囲の理解と支援ツールが必要だ。スマートフォンのアラーム機能を使うなど「道具やしくみで、これまでの生活を維持することが大切」(木之下院長)。早期発見を通じて認知機能の低下を受け入れ、対処する姿勢が欠かせない。

(相川浩之)

[日本経済新聞夕刊2019年3月20日付]

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