趣味など糸口に

趣味などを糸口に話題が広がれば、隠れたニーズを見つけるヒントも増える。例えば「4月から子どもが中学生になる」と聞けば、「JCOMの格安スマホでスマホデビューしてはいかがですか」と自然な提案につなげられる。

一方で、決して押し売りにならないようにも気を配る。相手の体の向きや顔の傾きをつぶさにチェックし、興味がないと判断すればすぐに提案を切り替える。

必ず意識するのが、顧客ごとに生活での具体的な利用シーンに落とし込む提案だ。プロ野球中継などをスマホで同時配信するサービスでは「帰宅して、ニュースなどで意図せずに試合結果を知ってしまうことがありますよね。でもこれなら出先や電車の中でも見られます」と薦めてみる。訪問先でテニスラケットが目に入れば「話題の大坂なおみ選手をWOWOWで応援しませんか」と切り出す。

顧客にとっても、生活の中での利用を具体的に想像できれば、納得して契約を更新する動機づけになる。テレビを含む全てのサービスの半年以内の解約は全国に約800人いるJCOMのアフターサポート担当者全体の平均で0.5件だが、細川さんは0件だという。契約者向けに提供している電力小売りと格安スマホでも細川さんが獲得した契約件数は全国トップだ。

とにかく「人と話すのが好き」だという細川さん。その雑談力で隠れたニーズを見つけ、「解約0件」の結果につなげている。

(河野真央)

ほそかわ・しょうへい
 2013年駒沢大学経済学部卒業。IT関連の業務受託企業を経て、16年にジュピターテレコム入社、湘南局に配属。趣味は映画鑑賞で、18年からはサーフィンも始めた。大阪府出身。

[日経産業新聞2019年3月20日付]

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