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自宅に遺骨・アクセサリーで供養 「墓と家族」変化で

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NIKKEI STYLE

故人の遺骨・遺灰を骨つぼに入れて自宅で供養したり、アクセサリーに納めたりする「手元供養」が広がっている。従来の墓や仏壇に代わる新たな供養方法。背景を探ると、人々の供養観の変化が見えてきた。

会社員の塚脇雅子さん(38)には、折に触れ身につけるペンダントがある。銀のハート形で見た目は普通のペンダント。実は7年前に他界した父親の遺骨を納めたアクセサリータイプの手元供養品だ。

ペンダントをつくったのは「父をいつも身近に感じていたいから」。身につけることで「父に守られているという安心感が生まれる」と話す。

塚脇さんは3年前に現在の会社に転職した。採用面接にはペンダントを身につけて臨み「落ち着いて受け答えができた」。結果は見事合格。「父のおかげ」とほほ笑む。

6年前に母親、2年前に父親を亡くした会社員(57)は、両親の遺骨をそれぞれ納めた2つのブレスレットを必ずつける。「両親にそばにいてほしい」と手元供養用のブレスレットにした。つけないと落ち着かず、お守り代わりだそうだ。周囲は遺骨が入っているとは思わないので周りの目を気にせずに供養できる。

手元供養が広がり始めたのは、20年前ごろからといわれる。手元供養を提唱するNPO手元供養協会の山崎譲二会長の推計によると、現在、7万~10万人が何らかの手元供養をしているという。関心が集まる背景にあるのは都市部を中心に進む墓離れだ。

墓は作るが田舎にあって遠くて参れない都市生活者が遺骨の一部を持っているケースに加え、墓の継承者がおらずに永代供養墓に埋葬し直した人、樹木葬を選んだ人もいる。また昨今は「お墓はいらないという人が増え続けている」(葬送問題に詳しいシニア生活文化研究所の小谷みどり所長)といい、散骨などで特定の墓所のない人もいる。

手元供養品は大きく2通りある。ミニ骨つぼなどお墓の代わりにもなる部屋置きタイプと、アクセサリーなど携帯したり、身につけたりするタイプだ。役割は2つ。「大切な人を亡くした悲しみを癒やすのと、お墓の代わり、あるいは両方」(山崎さん)だ。

数百万円かかる墓を建て、管理費を払って維持するのが難しいなど、経済的な理由で墓を持たないケースもある。手元供養用の骨つぼやアクセサリーは数万円程度からあり、通常の墓の管理に比べて負担が少ない。宗教学者の内藤理恵子さんは「ジュエリーに加工することで、遺骨に対する恐れがなくなった」と話し、手元供養品に対する抵抗感が薄れたと分析する。

人々の供養観が大きく変わってきたことも見逃せない。「自分の先祖と認識するのはせいぜい祖父母まで。お墓も2.5代で無縁化する例が多い」と山崎さん。小谷さんも「先祖代々の墓に入りたいという人は減った」と話す。

子どもを先に亡くした親など以前から家に骨つぼを置く人はいた。それが手元供養として位置付けられ、広まりつつあるのは「イエ(家)意識の希薄化、核家族化、少子化の進展で葬儀や供養の多様化、個人化の色彩が強まってきた」(山崎さん)ためだ。

葬儀と同様、供養の方法も簡易になる傾向があるが、一方でかけがえのない故人への思い、そばにいてほしいと願う人は多くなっているのかもしれないと専門家らはみる。その際のよりどころは、必ずしも従来のお墓でなくてもいいのかもしれない。

内藤さんは「亡くなった人と残された人との個人対個人の関係性が重要だ」と指摘する。手元供養はこれからも広がるのだろうか。「故人と残された人の心の結びつきがいかに維持され、育まれるか、によるだろう」と小谷さん。イエという形式より、故人との個人的な結びつきを大切にしたい考えの表れなら、それは優しさなのかもしれない。

◇  ◇  ◇

ふるさと納税返礼品にも

葬祭関連を中心に、手元供養品の販売に乗り出す企業が増えている。博国屋(京都市)は手作りの地蔵形骨つぼや納骨ペンダントなどを取り扱う。昨年末までに約1万個を販売した。メモリアルアートの大野屋(東京・新宿)は手元供養品専用のショールームを設け、昨年はミニ骨つぼやジュエリーペンダントなど約2万個を売り上げた。

手元供養品は、地方自治体の、ふるさと納税の返礼品としても利用されている。大阪府枚方市は、地元の金属加工会社が製造した遺骨を納める「メモリアルペンダント」を用意した。7万円以上を寄付した人に送るというもの。4月から十字形など、デザインと色を増やし、4種類を用意する予定だ。

(大橋正也)

[NIKKEIプラス1 2019年3月16日付]

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