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寝ている間に視力矯正 特殊コンタクト治療の注意点

角膜の形変えピント調整

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NIKKEI STYLE

近視や乱視の人が就寝中に特殊なハードコンタクトレンズを装用して、視力を矯正する「オルソケラトロジー」。強度の近視ではなく日常生活を裸眼で過ごしたい人に向いている。目が悪くなり始めた子どもの場合は、近視の進行が抑えられるという研究報告もあり、関心が高まっている。

近視は近くを見るときはピントが合うが、遠くの物がぼやけて見える状態。これは眼内に入った光が網膜より手前で焦点を結んでしまうためだ。近視の多くは角膜から網膜までの長さ(眼軸長)が学童期に伸びてしまうことで起きるとされる。

オルソケラトロジー(オルソ)は専用のハードコンタクトレンズを着け、角膜の形を変えてピントが合いやすいようにする。オルソは「矯正」、ケラトは「角膜」という意味だ。近視だけでなく一部の乱視にも適用されるが、遠視や老眼には効果が無い。

オルソ用のレンズは、普通のハードコンタクトレンズより一回り大きく、断面が特殊な形状をしている。装用すると涙液を介して角膜への圧力分布が変化し、角膜の中央部を押しつけ、周辺部を持ち上げる力が加わる。こうして角膜は全体として平らになりレンズとしての屈折率が小さくなる。より遠い距離で焦点を結ぶので、眼軸長が伸びてしまった人もピントが合いやすくなる。

レンズは就寝前に装用し、目覚めるまでの間に矯正するのが一般的な使い方だ。就寝中に連続使用するため、レンズは酸素透過性が非常に高い材料で作られている。

ただ角膜にレーザーを照射するレーシック手術などと違い、視力を矯正する効果は一時的だ。矯正した角膜は放っておくと2週間ほどで元の形に戻ってしまう。このため視力を維持するためには原則として毎日、近視の程度が軽い人でも1日置きにレンズを装用する必要がある。

また、近視の人すべてに効果があるわけではない。オルソケラトロジー外来を設けている、吉野眼科クリニック(東京都台東区)の吉野健一院長によると、対象になるのは「中等度以下の近視の人で、強度の近視には向かない」という。同外来の来院者も多くは近視が進み始めた子どもや未成年だという。

 1年近く前からオルソレンズを使っている7歳の男子Aさんもその1人。学校の健診で近視が進んでいると言われた。当時の両目の視力は0.2と0.3。心配になった母親に連れられて来院した。

テスト用のレンズを装着して約1時間仮眠してもらった。その後レンズを外して視力をはかると0.8程度に回復していた。さらに約1週間のトライアル期間をへてオルソがAさんに有効であることを確認、治療をスタートした。

経過は順調で、授業中に黒板の字が見えにくいといった悩みもなくなった。吉野院長によると「効果は通常は2週間、軽度の場合は1~3日で安定して表れる」という。

オルソケラトロジーは米国で始まり、日本では2009年に厚生労働省が承認した。保険が適用されない自由診療で行われている。治療を手がける眼科施設は全国に数百あり、施設によって料金体系が異なるが、最初の1年間にかかる費用は10万~20万円程度のところが多い。

◇  ◇  ◇

子への使用 慎重に

オルソケラトロジーの本来の目的は、日中に裸眼で過ごせるよう一時的に視力を矯正すること。一方で「近視の進行を遅らせる効果について科学的なエビデンスが集まりつつある」(吉野院長)ことへの関心も高い。

筑波大学など国内外の研究では、オルソを行った子どもを追跡調査したところ、眼鏡やコンタクトレンズを使用する子どもと比較して、近視の原因となる眼軸長の伸びが少ないという結果が出ている。これは眼鏡などと比べて目の負担が少なくなるため、近視の進行を抑えると考えられている。

日本コンタクトレンズ学会は17年12月にオルソケラトロジーのガイドラインを改定。それまで適応年齢を20歳以上としていたのを改め、「慎重な処方」を条件に未成年の使用を認めた。

ただ、子どもの場合はレンズの扱いなどに特に注意が必要だ。吉野院長は「ガイドライン改定で子どもへの適用がやりやすくなったのは確かだが、レンズ装着や日常管理で保護者がきちんとケアできるよう確認するのが極めて重要だ」と強調する。

(編集委員 吉川和輝)

[日本経済新聞夕刊2019年3月13日付]

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