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寝ている間に視力矯正 特殊コンタクト治療の注意点 角膜の形変えピント調整

2019/3/13付 日本経済新聞 夕刊

近視や乱視の人が就寝中に特殊なハードコンタクトレンズを装用して、視力を矯正する「オルソケラトロジー」。強度の近視ではなく日常生活を裸眼で過ごしたい人に向いている。目が悪くなり始めた子どもの場合は、近視の進行が抑えられるという研究報告もあり、関心が高まっている。

近視は近くを見るときはピントが合うが、遠くの物がぼやけて見える状態。これは眼内に入った光が網膜より手前で焦点を結んでしまうためだ。近視の多くは角膜から網膜までの長さ(眼軸長)が学童期に伸びてしまうことで起きるとされる。

オルソケラトロジー(オルソ)は専用のハードコンタクトレンズを着け、角膜の形を変えてピントが合いやすいようにする。オルソは「矯正」、ケラトは「角膜」という意味だ。近視だけでなく一部の乱視にも適用されるが、遠視や老眼には効果が無い。

オルソ用のレンズは、普通のハードコンタクトレンズより一回り大きく、断面が特殊な形状をしている。装用すると涙液を介して角膜への圧力分布が変化し、角膜の中央部を押しつけ、周辺部を持ち上げる力が加わる。こうして角膜は全体として平らになりレンズとしての屈折率が小さくなる。より遠い距離で焦点を結ぶので、眼軸長が伸びてしまった人もピントが合いやすくなる。

レンズは就寝前に装用し、目覚めるまでの間に矯正するのが一般的な使い方だ。就寝中に連続使用するため、レンズは酸素透過性が非常に高い材料で作られている。

ただ角膜にレーザーを照射するレーシック手術などと違い、視力を矯正する効果は一時的だ。矯正した角膜は放っておくと2週間ほどで元の形に戻ってしまう。このため視力を維持するためには原則として毎日、近視の程度が軽い人でも1日置きにレンズを装用する必要がある。

また、近視の人すべてに効果があるわけではない。オルソケラトロジー外来を設けている、吉野眼科クリニック(東京都台東区)の吉野健一院長によると、対象になるのは「中等度以下の近視の人で、強度の近視には向かない」という。同外来の来院者も多くは近視が進み始めた子どもや未成年だという。

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