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時短家事

防災備蓄用缶詰で時短の一品を 1人暮らしの備えにも 管理栄養士 今泉マユ子

2019/3/12付 日本経済新聞 夕刊

進学や就職、単身赴任などで、春から一人暮らしを始める人は多いだろう。誰しも不慣れな土地の新生活は心細いもの。万が一、知人や友人ができる前に自然災害が起きたら――。考えるだけで、不安が増すはずだ。

安心して単身生活を送るためにも、引っ越しの荷物には防災用に備蓄できる加工食品を入れることを強くおすすめしたい。地震や水害など自然災害は、全国どこでも起きる可能性がある。いつ発生するのかの予測も極めて難しい。

ポイントは、常温保存できる食品から、普段食べ慣れているものや好みの食べ物を選ぶこと。災害用だからと難しく考える必要はない。お気に入りの食べ物が手元にあるだけで、被災して大きなストレスを受けたときでも気持ちがホッと和らぐはずだ。

メインのおかず用なら、肉や魚などたんぱく質の缶詰とドライパックの食材を備えておくと、混ぜるだけですぐに完成する。イカの味付け缶と大豆ドライパック缶、ひじきドライパック缶を混ぜれば「イカと大豆とひじきの煮物風」。ラップをかけて電子レンジで温めてもよいが、常温のままでもおいしい。好みでおろししょうがやかつお節をかけてもよい。

イカの代わりになるのは、サバの味噌煮缶や牛肉の大和煮缶など。日ごろから臨機応変に調理していると、もしもの時も手元の食材を有効に活用できる。災害時は、器やボウルを使わずポリ袋に具材を入れて混ぜるのがお薦めだ。

ドライパックとは缶の中で素材を蒸しあげる製法のこと。栄養とうまみがそのまま詰まっていて、素材本来の食感や風味が楽しめる。開けてすぐに食べられて、時短調理の素材としてもってこいだ。

私は大豆とひじき、ミックスビーンズ、コーンのドライパックを常備している。一人暮らしをすると野菜が不足しがち。常温保存できる野菜が家にあると安心だ。

備蓄の食品は自然災害が起こったときだけでなく、突然の病気やケガ、感染症などへの備えにもなる。かつてぎっくり腰で2週間動けずにいたときは、備蓄食品が家にたくさんあったおかげで本当に助かった。

家の近くにお店がある人も、もしもの時に備えて自宅には何かしら保管しておきたい。フルーツやみつ豆の缶詰など甘味系も、おやつとして重宝する。ただ、長期保存できるからと、しまいこむのは本末転倒だ。缶詰の賞味期限は一般的に3年が目安。くれぐれも使うことを忘れないようにしよう。

今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。

[日本経済新聞夕刊2019年3月12日付]

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