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時短家事

旅先の洗濯はお湯を活用 脱水はネットが便利 洗濯家 中村祐一

2019/3/10 日本経済新聞 夕刊

少しずつ暖かくなり、旅行を計画したり、就職や進学などで新たな土地を訪ねたりする人が増える時期になった。旅の荷物をなるべく少なくしたいと、着替え用のシャツや下着類は最小限にして、泊まる部屋で洗濯したいと考える人もいるだろう。

このコラムではこれまで、お湯を活用した洗濯術を多く紹介してきた。旅先での洗濯にもお湯が活躍する。40度前後のお湯を洗面台や湯船にため、洗いたい衣類を10~20分ほどつける。その後、軽くすすげば完了だ。

肌に直接触れる衣類で注目すべき汚れは、体から出る「皮脂」と「タンパク質」。この2つをお湯を使ってしっかり落とすと、着心地がさっぱりし、嫌なにおいも出にくい。

洗濯といえばまず、洗剤を連想しがちだが、洗剤を使わずに洗うのもおすすめだ。手洗いの場合、洗剤を使うとなかなかすすぎきれず、時間も水も多く使う羽目になる。お湯のみで洗うと、すすぎも楽で短時間で済むのだ。

部分的な汚れには、部屋に備え付けのハンドソープをつけて洗ってから、全体をつけ置きするとよい。シャツなどの襟の汚れも同様にして、お湯でしっかりもみ洗いするときれいになるはずだ。

ただ、ハンドソープの多くは、人の肌に合わせたり、除菌効果を出したりするために酸性になっている。酸性には色を止める働きがあるので、色素が含まれた食べこぼしなどが落ちにくくなることもある。少し注意してほしい。

(1)洗面台に40度前後のお湯を張り、洗剤は入れず衣類をつけ置く
(2)襟など部分汚れにはハンドソープをつけ、お湯でもみ洗いを

(3)洗い終えた衣類を目の粗い洗濯ネットに入れ、ぐるぐる回して「簡易脱水」
(4)水が垂れないくらいまで絞ったら、空調の近くで干す

一番厄介なのは脱水~干すプロセスだろう。水気を絞れないと、衣類はなかなか乾かない。手でギュッと雑巾のように絞ると、Tシャツなどの首元が伸びる。バスタオルで衣類を挟んで水分を吸い取るのも効果的だが、何着も洗っているとだんだん吸わなくなる。

そこでオススメなのが、洗濯ネットを使った脱水だ。ネットに衣類を入れ、端をつかんでぐるぐる回すと簡易的な脱水ができる。ネットの目が粗い方が水分がより抜けやすく、やや大きめのサイズだと遠心力が働きやすい。

ただ、水分を含んだ衣類は重く、手で持って回すのも結構疲れる。1人分の洗濯物ならまだしも、家族3~4人分だと重労働になる。宿泊先のランドリーを使うのが賢明だろう。

干すときは、できる限り空気の流れを作る。うまく干せる場所があれば、空調の近くが最も乾きやすい。部屋をぬらさないよう、水が垂れない程度まで絞っておけば、薄手の衣類なら2~3時間もあれば乾く。

旅には乾きやすい素材の衣類を選ぶのもポイント。ポリエステルやナイロンといった化繊のほうが綿素材より乾きやすく、シワになりにくい。ホテルの部屋を汚さないよう気をつけて、旅先でも工夫しながら快適に洗濯してほしい。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2019年3月5日付]

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